2月 14, 2022 19:41 Asia/Tokyo

コーラン第35章ファーテル章創造者、第3節~第6節

慈悲深く、慈愛あまねき、アッラーの御名において

 

第3節

(3) یَا أَیُّهَا النَّاسُ اذْکُرُوا نِعْمَةَ اللَّهِ عَلَیْکُمْ هَلْ مِنْ خَالِقٍ غَیْرُ اللَّهِ یَرْزُقُکُمْ مِنَ السَّمَاءِ وَالأرْضِ لا إِلَهَ إِلا هُوَ فَأَنَّى تُؤْفَکُونَ

「人々よ、あなた方への神の恩恵を思い起こしなさい。あなた方に天と地から日々の糧を与える創造主が、神以外にいるだろうか? 彼以外に神はいない。それなのになぜ、あなた方は真理に背を向けるのか?」

第4節

(4)وَإِنْ یُکَذِّبُوکَ فَقَدْ کُذِّبَتْ رُسُلٌ مِنْ قَبْلِکَ وَإِلَى اللَّهِ تُرْجَعُ الأمُورُ

 

「彼らは汝を否定するが、汝以前の預言者たちをも否定してきた。すべての行いは神へと帰される」

 

前回の番組では、神の大きな慈悲についてお話ししました。この2つの節は、創造と日々の糧を与えるにあたっての神の唯一性に触れ、次のように語っています。「天と地からあなた方に下される物質的、非物質的な恩恵のすべては、唯一の神からのものである。その神は、あなた方を創造し、あなた方に日々の糧を与える。創造するのは一方の神で、日々の糧を届けるのは、その神に創造された別の神や存在物である、ということはない。唯一の神以外に創造主も、日々の糧を与える存在もいない。ゆえに、神以外のものに日々の糧を期待する者がいれば、その人は逸脱に陥っている」

 

この節は続けて、預言者とイスラム教徒に対して次のように語りかけています。「もし不信心者や多神教徒がイスラムの教えを否定し、真理を受け入れようとしなくても、自分の道の正しさを疑ったり、迷ったりしてはならない。そうではなく、自らの道をしっかりと歩み、最終的にすべての事柄は神に帰るということを知るべきである。神が彼らの否定や不信心に懲罰を与える。あなた方の信仰や忍耐に報奨を与えるのと同じように」

 

第3節と4節の教え

  • 神の恩恵に注目することは、神を知り、不信心や多神教信仰から遠ざかるための道です。
  • 神は日々の糧を与えてくださいますが、それは、神自身が創造した自然な手段によります。
  • 先人たちがたどった運命について研究することで、真理の道を歩み続け、表面的な力を恐れることがなくなります。

 

第5節  

یَا أَیُّهَا النَّاسُ إِنَّ وَعْدَ اللَّهِ حَقٌّ فَلا تَغُرَّنَّکُمُ الْحَیَاةُ الدُّنْیَا وَلا یَغُرَّنَّکُمْ بِاللَّهِ الْغَرُورُ

「人々よ、明らかに神の約束は真理である。そこで、あなた方は現世の生活に欺かれてはならない。欺瞞を働く[悪魔]によって、神の赦しに高慢になってはならない」

 

前の節では、神の唯一性、預言者の使命について述べていました。この節は続けて、最後の審判に関する神の約束に触れ、次のように語っています。「善良な人と悪を行う人に約束される最後の審判や天国と地獄、これらは皆、真理である。だから、現世の日々の華やかさによってあなた方が来世のことを忘れてはならず、神の慈悲や赦しに触れて、あなた方に罪を奨励する悪魔に従ってもならない」

 

第5節の教え

  • 悪魔のやり方のひとつは、人間に罪をそそのかし、神の赦しという希望を与えることです。しかし、神から赦しを得られる条件は、罪を悔い改めることであり、罪に穢れることではありません。
  • 悪魔が不信心者を、現世の華やかさや魅力によって欺けば、大勢の敬虔な人々も、神の赦しへの期待により、罪に陥ります。

 

第6節 

إِنَّ الشَّیْطَانَ لَکُمْ عَدُوٌّ فَاتَّخِذُوهُ عَدُوًّا إِنَّمَا یَدْعُو حِزْبَهُ لِیَکُونُوا مِنْ أَصْحَابِ السَّعِیرِ 

「本当に悪魔はあなた方の敵である。そこで、あなた方もまた、彼を敵と見なすべきである。彼は、地獄の一員にするために自分に従う集団を招くだけである」

 

前の節に続き、この節は、すべての人々、特に敬虔な人々に対し、悪魔はあなた方の創造の初めから、あなた方と敵対しており、あなた方に頭を垂れるつもりはなかったと警告しています。悪魔はこのような反抗的な態度によって、神の御前を追われたため、可能な限り人間を道に迷わせると誓っています。そのため人間も悪魔を敵とみなし、悪魔の誘惑に注目してはなりません。

 

この節は続けて、次のように語っています。「悪魔があなた方を支配し、あなた方に罪を強いるのではない。悪魔の影響力が及ぶのは、自分で悪魔に従おうとするときである。当然のことながら、このような人々の結末は地獄であり、悪魔とともに地獄の業火に焼かれることになる」

 

第6節の教え

  • 私たちの国や領土、大切なものや財産、命の敵たちのことだけを考えていてはなりません。それも重要ですが、信仰や道徳の敵のことも考えるべきでしょう。なぜなら、もし注意を怠れば、悪魔が私たちを逸脱と罪に陥れるからです。
  • すべての真の敬虔な人々を含む神の党から抜けるのであれば、悪魔の党に入ることになり、そこから抜け出すのが困難になります。そしてその結末は責め苦です。 

  

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