韓国で日本旅行の需要伸び悩み、多すぎる制約や安倍元首相銃撃事件も影響
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韓国で日本旅行の需要伸び悩み、多すぎる制約や安倍元首相銃撃事件も影響
日本政府が入国制限を緩和したことを受け、韓国では先月日本旅行の予約が急増したものの、本格的な夏休みシーズンを前にキャンセルが相次いでいます。
韓国・ヨンハプ通信が27日水曜、報じたところによりますと、韓国旅行大手、モドゥツアーが7月20日から8月14日まで販売しているチャーター機による北海道旅行は、6月第2週の時点では、新規予約増加率が直前の週に比べて250%増となっていたのが、予約分のうち約40%がキャンセルされました。
こうした背景には、多くの旅行客の期待に反し、日本政府が新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して団体観光のみを認めているのに加え、ビザ取得の手続きに2~3週間かかるなど条件が厳しいことが指摘されています。
また、日本旅行が敬遠されるその他の理由として、日本入国後は事前の計画通りに行動しなければならず、引率者なしでは自由にショッピングもできないほか、旅行の前後にPCR検査や迅速抗原検査を受けなければならないことが挙げられます。
モドゥツアーの関係者は「日本は地理的に近いため航空料金が比較的安く、今年に入ってからは過去に例のない円安まで重なって魅力的な旅行地であることは確かだが、入国条件が厳しく、新型コロナ以前の水準まで観光が活性化するためにはさらに時間がかかるとみられる」とコメントしました。
さらに、今月初めに発生した安倍元首相の銃撃事件も、こうした傾向に拍車をかける格好ととなっています。それは安倍氏を銃撃した山上徹也容疑者が、犯行動機として韓国で創立された宗教団体・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と安倍氏の関係に言及したことによります。
そして、日本の植民地時代の強制徴用問題や日韓慰安婦合意の無力化など、過去の歴史問題を巡る対立も足を引っ張っており、ユン・ソクヨル現政権が力を入れている日韓関係の改善も、進展が見られません。
こうしたことから、両国の国民性や政府の政策が国民感情に及ぼす影響などを考慮すると、国と国との対立が解消されなければ民間交流にも限界があると見られています。