韓国大統領、「韓日関係の早期回復と発展へ」
韓国のユン・ソクヨル大統領が、日韓関係の早期回復と発展を強調しました。
日韓関係は、日本による植民地化時代や第2時世界大戦中に発生した朝鮮半島での従軍慰安婦問題や徴用工問題などの対立により、非常に悪化しています。
しかし、今年5月に就任したユン・ソクヨル大統領は、日本との関係改善を約束しました。
韓国・ヨンハプ通信がソウルから報じたところによりますと、ユン大統領は15日月曜、光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)記念式典での演説において、「韓日関係の包括的な未来像を提示した『キムデジュン(金大中)・小渕共同宣言』を継承し、韓日関係を早期に回復、発展させていく」と述べています。
また、「かつて我々が自由を取り戻し守るために政治的な支配から脱する対象だった日本は今、世界市民の自由を脅かす挑戦に共に立ち向かい、力を合わせて進むべき隣人」とした上で、「韓日関係が普遍的な価値を基盤に両国の未来と時代的な使命を目指して進んでいく時、歴史問題もきちんと解決される」との認識を示しました。
さらに、1998年にキム・デジュン大統領と小渕恵三首相(いずれも当時)が発表した、過去の植民地支配の謝罪と両国の未来志向の関係発展をうたう日韓共同宣言に言及し、日韓関係の早期の改善に意欲を示しました。
なお、日本の岸田首相は15日、東京での政府主催の全国戦没者追悼式で「歴史の教訓を深く胸に刻み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてきた」と述べ、2019年の安倍晋三元首相以来3年ぶりに第二次世界大戦の「教訓」に言及しました。
しかし、歴史認識に関しては戦後の日本の平和国家としての歩みを紹介する中での言及にとどめ、アジア諸国への加害責任や反省には触れていません。