韓国大統領「日本は協力パートナー」、関係改善の意思を強調
韓国大統領が、「日本は過去の侵略者から協力パートナーになった」として、日韓関係改善への意志を改めて強調しました。
韓国ヨンハプ通信によりますと、日本による植民地支配に抵抗して1919年に起きた独立運動「三・一運動」から104年を迎えた1日水曜、韓国のユン・ソクヨル大統領はソウル市内のユ・グァンスン記念館で開かれた記念式典で演説しました。
ユン大統領は、この日の演説であえて、過去の日本に対する批判ではなく、今の日本との協力を重視する話を盛り込みました。
そして、「三・一運動から1世紀が過ぎた今、日本は過去の軍国主義侵略者からわれわれと普遍的な価値を共有し、安全保障や経済、そしてグローバルアジェンダで協力するパートナーに変わった」と述べました。
また、「祖国の自由と独立のために犠牲となり、献身した殉国烈士と愛国志士たちに敬意を表する」としながら、「三・一運動は国民が主人の国、自由な民主国家を建立するための独立運動だった」と言明しています。
さらに「世界の変化に十分に備えず、国権を失い苦痛を受けた過去を振り返らなければならない」とし、「変化する世界史の流れを読むことができず、未来をしっかり準備しなければ過去の不幸が繰り返されることになるのは自明だ」と指摘しました。
加えて「複合的な危機や深刻な北の核の脅威など、安保危機を克服するための韓米日の協力がいつにも増して重要になった」として、「普遍的な価値を共有する国々と連帯、協力し、世界の繁栄に寄与しなければならない」と強調しました。
最後に「栄光の歴史であれ、恥ずかしく悲しい歴史であれ、歴史は忘れてはならない。 必ず記憶しなければならない」とした上で、独立宣言の精神を継承し、自由、平和、繁栄の未来を作ろうと述べて演説を締めくくりました。
ユン大統領が三・一運動の記念日に演説を行うのは、就任後初めてのことです。
その一方で、今後の日韓関係には課題もあり、最大の懸案である徴用工問題をめぐっては、韓国政府が示した解決案に国内の反発は根強く、日本政府に求めた「誠意ある呼応措置」についても折りあえていない状況です。
核・ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威が高まり、これまで以上に日韓の連携が求められる中、両国のトップが課題を乗り越える政治決断に踏み出すのか注目されます。