10月 09, 2020 05:55 Asia/Tokyo
  • アゼルバイジャン共和国とアルメニアの軍事衝突
    アゼルバイジャン共和国とアルメニアの軍事衝突

アゼルバイジャン共和国とアルメニアの軍事衝突継続により、双方による戦争は占領地域の範囲や経済地域の境を越えて拡大しています。

次々に発表される新たな報道からは、民間人が犠牲になり経済拠点に甚大な被害が及んでいることがうかがえます。こうした状況において、特にイランやロシアをはじめとする地域諸国の政府は、改めて今回の交戦国の双方に対し、早急に協議の席に着くよう求めました。同時に、イランは2つの交戦国による衝突の終結に向けた和平計画を用意しています。イラン外務省の関係者らは最近数日、同国の和平計画をアルメニアとアゼルバイジャンに受諾させるべく、倍の努力をしてきたことを明らかにしました。

正式な報道の一部は、シリアやイラクに潜在するテロリスト勢力とつながりのある武装勢力が南コーカサス地域に存在している、と報じています。これに関して、セルゲイ・ナルイシキン ・ロシア対外情報庁長官は、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地である、ナゴルノ・カラバフ地域が、近隣諸国へのテロリスト流入源となることに懸念を示し、次のように述べています。

「ナゴルノ・カラバフ地域での武力衝突の拡大は、あたかも磁石のように民兵を様々な国際テロ組織から、より高い報酬の獲得へと勧誘している。武装組織は、アルメニアとアゼルバイジャンから、ロシアなどの近隣諸国に入国できるが、このことは懸念材料である」

これまでの数日間、報道各社や地域諸国の政府関係者の一部は、「シオニスト政権イスラエルは、武装テロ集団のメンバーをコーカサス地域に送り込もうと工作している」と表明してきました。今や、ロシア政府が懸念を表明している一方で、地域をはじめ世界で唯一、トルコだけが依然としてアリエフ・アゼルバイジャン大統領に戦争の継続を奨励していると言わねばなりません。しかし、トルコ政府のこのような行動は、コーカサス地域でのアルメニアとアゼルバイジャンの現在の戦争を通じて自らの要求を達成しようというトルコの工作といえるものです。こうした衝突は、双方の交戦国に甚大や物的・人的被害をもたらしかねません。こうした状況において、アゼルバイジャンに戦争継続を奨励し、和平計画を無視することは、第一段階でイスラム教国であるアゼルバイジャンの国民に甚大な損害をもたらすことになります。

アゼルバイジャン共和国とアルメニアの軍事衝突

 

イランが敵対する2つの交戦国に和平案を提示している一方で、当事国のアゼルバイジャンとアルメニアの首脳らは、過去数年にわたって常に、この長年の紛争の解決に対するOSCEミンスクグループの指導者の不注意を暗黙のうちに批判してきました。こうした不注意に加えて、どうやらミンスクグループの首脳らは依然として、ナゴルノ・カラバフ和平交渉において、アルメニアの立場を支持しようとしているように見受けられます。こうした支持により、アゼルバイジャンの指導者らは、ミンスクグループの首脳らをそれほど信用できない現状にあります。これに関して、アゼルバイジャンのアリエフ政権に近い同国の専門家の視点が指摘できます。その例として、アゼルバイジャンの軍事専門家、ウゼイル・ジャアフロフ氏は、次のように述べています。

「ミンスクグループの共同議長が偏ったアプローチをしていることから、ナゴルノ・カラバフ問題解決の希望は存在しない」

アゼルバイジャンのこの軍事・安全保障問題の専門家はさらに、西側諸国の政府による偏向的な行動により、アルメニア政府とナゴルノ・カラバフ地域に居住するアルメニア人の利益が確保されることになる、として次のように述べています。

「20年以上が経過した現在、アゼルバイジャンの国民と当局者は、ミンスクグループの仲介をもはや信頼していない」

総括すると、現在の紛争の経過と地域および世界の政府の行動は、ナゴルノ-カラバフ紛争の当事者が現在の状況の継続をそれほど希望していないことを示しています。外国の介入は当事国双方の戦争継続を助長する一方で、双方の和平達成を妨げてきたのです。

 

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