中国がアメリカを非難、「事実を無視」
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中国外務省の汪文斌報道官
アメリカ国防総省が「中国は性急な核能力強化を狙っている」と表明したことに対し、中国が「これに関する事実を無視している」としてアメリカを非難しました。
フランス国際放送によりますと、中国外務省の汪文斌報道官は4日木曜、アメリカがこの報告に手を加えたとして非難し、記者団に対し「アメリカ国防総省から発表された報告は、これまでの報告と同様に事実を無視しており、偏狭・固執的な見解が多々見られる」と述べています。
また、「アメリカは、中国の脅威を針小棒大に膨らませようとしている」としました。
アメリカ国防総省は3日水曜、中国の核能力に関する報告において懸念を示し、「中国は2027年までに、700発以上の核弾頭を保有することになり、2030年までにこの数は1000発にも達するだろう」、「中国は21世紀半ばまでに、アメリカの影響力を追い抜くことを目標にすえている」としています。
この推計は中国による核攻撃オプションの急速な近代化や、ミサイル格納庫の建設を踏まえたもので、昨年の予想を大幅に引き上げた形となっています。
米政府は中国の急激な軍事力増強に対して懸念を強めており、チャールズ・リチャード戦略軍司令官(海軍大将)は去る8月、「その核戦力と通常戦力の爆発的な成長と近代化は、驚異的としか形容できない。驚異的という言葉だけでは不十分かもしれない」と述べていました。
さらに、CNNがワシントンから報じたところによりますと、 米シンクタンクのFAS全米科学者連盟は今月2日、衛星画像の分析結果をもとに、中国のミサイル格納場建設が疑われる3施設で相当の進展があったとする報告書を発表しました。いずれ長距離核ミサイルの発射が可能になる可能性もあり、中国が核能力の開発に相当な労力と資源を注ぎ込んでいることを示唆するとしています。
この報告書をまとめた専門家は「中国にとって前例のない核増強」と分析し「ミサイル格納場が本格運用できる状態になるまでにはまだ何年もかかるだろう。中国がこれをどう武装し、運用するのかはまだ分からない」との見解を示しています。
しかし、米国務省の最新のデータによりますと、現時点での米国の核弾頭保有数は3750発と、中国の保有数を上回っています。
アメリカ統合参謀本部のミリー議長は、中国の軍事的進歩を「世界の地政戦略学的パワーにおいて過去最大規模の変化」だと警告する一方で、「我が国には、予想される中国の攻撃から台湾を守る力がある」と表明していました。
中国外務省もこれに反論し、「アメリカは、中国国民の国家主権と領土保全を擁護するという強い決意を過小評価してはならない」と鋭く批判的な反応で警告しました。
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