岐阜市長、イスラエル大統領に非売品の提灯寄贈 市長として入手なら「私的訪問」と矛盾
先月末にイスラエルを訪問していたことが発覚した岐阜市の柴橋正直市長は、シオニスト政権のヘルツォグ大統領との面会の際、岐阜市の伝統工芸品である提灯を記念品として寄贈していました。この提灯は、地元有志が町おこしのために制作した非売品で、柴橋氏が市長としての立場を利用して入手した可能性が高いものです。
上の写真は、柴橋氏らとともにイスラエルを訪問した都内のシオニスト牧師・明石清正氏のnote(https://note.com/kiyomasaakashi)に掲載されていたものです。明石氏によれば、一行がヘルツォグ大統領と面会したのは先月28日。この際、柴橋市長は岐阜市の伝統工芸品である岐阜提灯を持参し、大統領に寄贈しました。
この提灯は、岐阜提灯の生産地である岐阜市川原町の有志である「川原町まちづくり会」が制作したものです。同会は2010年から、町おこしのため伝統家屋が残る町内の住宅や店舗の軒先に提灯を吊るしており、昨年クラウドファンディングで資金を募って新調しました。
クラウドファンディングが始まった直後の昨年8月のNHKの報道(https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20230808/3080011854.html)によると、会は提灯400個の制作に必要な300万円を目標額に設定しました。クラウドファンディングのページ(https://www.oco-s.jp/project/kawaramachi)を確認すると、220万円あまりを調達し、募集は終了しています。
この提灯は、クラウドファンディング出資者への返礼品以外には、一般に販売されているという情報はありません。
そして先月7日、柴橋市長は自身のXで、新調された提灯の披露式に出席したと報告(https://x.com/shibahashi_m/status/1787825434316726460)。写真を見ると、ヘルツォグ大統領に贈ったものと同じ柄の提灯を市長が手にしています。
市長はこの投稿で、提灯に書かれた「ぎふ川原町」という文字が自身の揮毫によるものであることも書き添えています。
柴橋市長はこの提灯をどのような経路で入手し、イスラエルに持参したのでしょうか? 今回の訪問のためにまちづくり会に提供あるいは販売を依頼したのか、揮毫した記念に受け取ったものだったのか。いずれにしても市長としての立場でなければ入手し得ないものであることは確かです。
柴橋氏は、イスラエル訪問が発覚した今月6日、地元メディアの取材に旅費が私費であることを強調した上で、「私的な行動なので問題ない」と主張しました。
しかし、「私的訪問」と矛盾しないのは、市長自身がポケットマネーでクラウドファンディングに出資し、返礼品として提灯を受け取っていた場合のみです。そうでなければ、市長としての立場を利用して入手したものを「私的訪問」の手土産に使ったことになります。
柴橋市長は6日、イスラエル訪問に関する取材に訪れた報道陣に対して撮影を拒否し、現在に至るまで十分な説明を果たしていません。