視点
関係改善に向けたイランと地域のアラブ諸国の歩み
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アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相がクウェート、UAEアラブ首長国連邦、オマーン、カタール各国の外相らと、二国間および地域的関係に関して協議しました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は26日火曜夜、ツイッターで「善隣外交政策での必須事項は、関係拡大戦略の検討および、地域国際問題に関する協議である」と述べています。
また、「我々は近隣諸国との協力を加速するつもりだ。地域外の国々が地域的協力を妨害することはできない」としました。
イランの第13期政権は、近隣諸国やイスラム諸国、友好国を対外政策の優先事項に据えており、これまで以上にペルシャ湾南岸諸国をはじめとした関係拡大や誤解の解消を追求しています。これらの諸国も、イランとの善隣関係維持の重要性を熟知しており、イランとの関係改善・向上に向けた意向を示しています。
その例として、クウェートは海の国境線や、アーラシュ天然ガス田の問題をめぐりイランと一部の法的対立を抱えてはいるものの、対イラン政治関係の拡大を決意しています。
UAEもまた、政治分野での対イラン関係の7年ぶりの拡大および、大使級レベルへの格上げを決定しています。
こうした中、イラクの仲介によるイランとサウジアラビアの協議をうけ、双方がその結果に満足していることを宣言した後、エジプトおよびヨルダンも対イラン関係の拡大を求めるようになってきています。
バイデン米大統領は最近の西アジア訪問において、イランに対する一連の疑惑を提示し、アラブ諸国とシオニスト政権イスラエルの関係拡大を目的に、対イラン包囲網の結成を試みました。しかし、地域のアラブ諸国が対イラン政治・経済関係レベルの向上を決意していることは、アメリカがまたしてもイランに対する最大限の圧力行使および、イランの孤立化に失敗したことを示しています。
その例として、ファイサル・サウジ外相は「アラブ版NATOなるものは存在しない」とし、「対イラン関係の唯一の方法および、最善の解決策は外交的な方策だ」と述べました。