欧州の核関連提案文書にイランが回答、後は米の政治的決定のみ
イランが、JCPOA包括的共同行動計画(通称;核合意)の完全実施再開への道筋に関して欧州が提案した文章に回答し、「米国が現実的かつ柔軟であれば最終合意は成立するだろう」としました。
圧制的かつ違法な対イラン制裁の解除を中心議題としたオーストリア・ウィーン協議は、約5か月の中断を経て、今月4日に新ラウンドが始められました。同協議は、この先の行方をめぐる重要な段階に達していますが、最終合意成立までには、西側、特に核合意に違反したアメリカの政治的決定を待つ状態にあります。
ウィーンでの新ラウンドの交渉では、調整役を務めるエンリケ・モラEU欧州対外活動庁事務次長がいくつかの提案を行いました。
イルナー通信によりますと、協議では3つの問題で意見対立があり、米国はそのうち2つについては口頭で柔軟性を示しているものの、イラン交渉団が示している立場からもはっきりわかるように、それらは合意本文に含まれる必要があります。残る3番目の問題は、核合意実施継続の保証に関連するもので、これはイランの見解の保障についてアメリカ側が現実を直視するかにより、判断が左右されます。
これらの問題は、15日月曜夜にイラン国家安全保障最高評議会の特別会議で詳細に取り上げられ、最終的に16日火曜未明、イラン側の立場が交渉の調整役であるEUに書面で通達されました。
イラン代表団のマランディー補佐官はツイッターで、「残っている問題の解決は、それほど難しくない」と述べています。
マランディー氏はまた、「イランの懸念は、核合意に対する西側関係国の責務不履行を見てきたことによる」とし、「合意がきっと成立するだろうとは言えないが、以前に比べて我々はよりその成立に近づいている」としました。
イランは、責任を受け入れる国としてこれまでに繰り返し、「核合意に違反したのは米国であることから、諸制裁を解除して核合意に復帰すべきは同国の側であり、さらにその責務実施状況は検証・確認される必要がある」と表明しています。
ウィーン協議に参加している国のほとんどは、圧政的で違法な対イラン制裁の解除に焦点を当てており、交渉がより迅速にまとまることを望んでいます。現在、最終合意の成立は、残りのいくつかの重要な問題に関する米国の政治的決定を待つ状態にあるのです。