イラン国連大使、「大量破壊兵器調査する一般制度の創設を」 ウクライナ紛争の賠償求める国連決議めぐり
イランのイールヴァーニー国連大使が、大量破壊兵器を調査するための一般的制度が創設される必要性を強調しました。
IRIB通信によりますと、イールヴァーニー国連大使は、ウクライナ紛争の損害の賠償制度創設に関する決議をめぐって、「国際法への違反を認定して調査する制度を作ろうという意思があるならば、イラクの旧サッダーム政権に対しての大量破壊兵器や化学兵器の提供を含めた全ての事例を扱う、世界全体を対象とする制度にすべきだ」と強調しました。
国連総会緊急特別会合では、ウクライナから提案された、同国への軍事侵攻による損害の賠償をロシアに求める決議案が、賛成94票、反対14票で採択されました。
ただしこの投票では、73カ国が棄権しています。
西側諸国によって支持されたこの決議案に対し投票作業が行われる中、ロシアのネベンジャ国連大使は同案に強く反対して、この措置が法的有効性を欠くものであり、西側はロシア資産没収の法的正当化を企んでいると指摘していました。
今回の決議に対しては、独立諸国の多くも政治的なものであるとしながら、ウクライナで現在も進行中の紛争のために独自の制度を創設して西側諸国の違法な犯罪行為を無視することは偽善的であり、さらに総会にはこのような制度を創設する法的な権限もないとしています。
イールヴァーニー国連大使はまた、国連憲章と国際法の原則を全関係方面が尊重すべきとするイランの基本姿勢を強調して、「この決議案は国連総会の責任や義務の範囲を超えたものであり、これが採択されても、実質的には現在の紛争の終結に寄与せず、限られた少数の国々の手に握られた単なる政治的ツールとなるだろう」と警鐘を鳴らしました。