イラン外務省報道官、「人権主張者の発言には人種主義的思考流れる」
キャンアーニー・イラン外務省報道官が、バイデン米大統領およびボレルEU外務安全保障政策上級代表による最近の人種主義的な発言に触れ、「人権を主張している者たちの発言には、人種主義的思考が脈々と流れている」としました。
ファールス通信によりますと、キャンアーニー報道官は8日日曜夜、ツイッターでバイデン米大統領およびボレルEU上級代表の人種主義的な発言に触れ、「ジョー・バイデン氏は他の国々を、『アメリカのジーンズに当てるつぎ』呼ばわりした。またボレル氏は、ヨーロッパを庭園に、世界の残りの地域をジャングルに例える差別的な発言をした」と述べました。
また、「人権を主張している者たちの発言には、人種主義的思考が脈々と流れている」とし、「世界の他の国々やその国民に対して、人権を主張する者たちによる傲慢な行為は、これらの思考や発言を行動に移しかえた結果だ」としました。
バイデン米大統領は、今月4日の米ケンタッキー州での演説で「私は世界中の140か国以上を旅してきた」と述べ、「我々が自分のやりたいことやすべきことをすれば、世界の他の国々は我々のジーンズに当てるつぎではなくなる」と発言しました。
ファールス通信はまた、イラン外務省報道官が昨年10月18日、ボレルの発言をめぐり同氏に向けたかたちで、「庭園やジャングルという比喩は、西側諸国に侵略や占領の権利を認めるような、決して容認できない植民地主義精神からきている。そのような時代は過ぎ去っており、すぐ先には多極主義の世界が存在している」と述べたことも指摘しました。
キャンアーニー報道官はその前日の定例記者会見においても、ボレル上級代表の発言に関する質問に答えて、「非常に多くの反応があり、反発についても十分なほど耳に入っている。ボレル氏のこの発言は、ヨーロッパでも多くの驚きを引き起こした。この発言に対する判断は、それを聞いた人に委ねたい」と述べています。
ボレル氏は前日の17日に、ベルギー北西部ブルージュにある欧州外交アカデミーの始業式で、「ヨーロッパは庭園であり、我々全員がこれを作り上げた...この庭園は、政治的自由、経済的展望、社会的結束が最良のかたちで組み合わされている。世界の他の地域は、全く庭園になってない。世界のほとんどはジャングルである。ジャングルは、庭園を侵食する可能性がある」と発言していました。