イラン最高指導者「ウクライナ戦争には一切関与していない」
(last modified Tue, 21 Mar 2023 15:36:38 GMT )
3月 22, 2023 00:36 Asia/Tokyo

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、イラン暦新年にあたる演説で、「イランは、ウクライナ戦争には一切関与していない」と述べました。

ハーメネイー師は21日火曜夕方、イラン北東部マシュハドにあるシーア派8代目イマーム・レザー廟で数十万人単位の聴衆を前に演説しました。

ハーメネイー師はこの中で、イランがウクライナ戦争に関与しているという西側の嘘の主張を否定し、「この戦争に至る経緯はアメリカが整えたものだ。この戦争から得られる利益を自らの軍需産業のものとし、それゆえ停戦を阻んできた」と述べました。

ハーメネイー師はまた、「敵の目的は、イラン・イスラム共和制のアイデンティティを変質させ、世界の傲慢勢力や西側民主主義の思惑にかなうものに置き換えることにある。しかし、西側民主主義とは嘘と欺瞞の民主主義である」と強調しました。

その上で、「(昨秋からイラン国内で続いた)暴動の目的は、イラン・イスラム共和制を脆弱にすることだった。しかし実際に起きたのは、敵の狙いとは正反対のものだった」としました。

そして、「我々の体制はイスラム共和制である。共和制が毀損されてはならないし、イスラムが毀損されてもならない」と述べました。

また、イランが制裁を受けているにもかかわらず進歩を遂げていることについて、「我々は、国防、航空宇宙、バイオテクノロジー、インフラにおいて確かな進歩を遂げた。さらに複数の学術分野においては世界の上位10カ国、場合によっては3カ国以内にも入っている」と述べました。

外交については、「欧米はイランを孤立させようと圧力をかけてきたが、結果は真逆のものとなった。イランとアジアの関係は確実に深まり、それはこれからも続く。我々は、アフリカやラテンアメリカ諸国との関係を強化する計画でもいる」としました。

ハーメネイー師は、アメリカは西アジア地域にこれからも駐留し続けるか迷っていると指摘し、「彼らは西アジアに留まるべきか、あるいは去るべきか決めかねている。留まれば反米感情は高まり、去れば自らの利権を失うからだ」と述べました。

一方、国内経済については、「経済問題はイランの大きな弱点だ。その解決策としては、政府による介入の削減、国民自身・民間への委託、原油輸出からの脱却、非石油部門の輸出増、脱ドル依存が挙げられる」と述べました。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     urmediem