視点
国連総会でのイランの活発な外交活動
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イラン国旗
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、国連総会出席のため7日間に及んだニューヨーク訪問を終え、帰国しました。
今回の同外相の訪問はどのように進み、どのような成果があったのでしょうか?
最も重要だったのは、外交協議やメディア・学術関係者との会談です。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は今回のニューヨーク訪問で、全体で42の予定をこなし、そのうち34件が各国の外相や高官、国連事務総長との会談でした。これらの会談では、イランと相手国との関係、地域・国際問題などが話し合われました。
例えば、サウジアラビアのファイサル外相との会談は、イランのサウジとの関係改善への意欲を示すものでした。両者の会談は、イラン・サウジ両国が今年3月に国交再開で合意して以降、その路線を継続する意思があることを示しました。
また、アゼルバイジャンのバイラモフ外相との会談では、イランとの対立点やナゴルノ・カラバフ問題などについて話し合われました。今回の両者の会談は、これまでと同様、イランがアゼルバイジャンとの対立事項を話し合いによりコントロールし、悪意あるメディアによる印象操作や地域のライバル国に惑わされないことを示しました。
さらに、エジプトのショクリー外相との会談は、きわめて友好的な雰囲気の中で行われ、40年間の断交を経て両国が国交を再開する足掛かりになりました。
他にも、ペルシャ湾岸協力会議のブダイウィ事務局長との会談も行われ、イランがペルシャ湾岸のアラブ諸国との協力意思を持っていることを示しました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相はニューヨークで「イランの地域政策は、建設的な交流・協力である。地政学的要因に加えて、善隣外交、共通の歴史・文化・宗教などが、地域の平和と安定をもたらすだけでなく、経済・福祉の発展を保証してくれる」と述べました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相のもう一つ重要な会談は、グテーレス国連事務総長との会談でした。アミールアブドッラーヒヤーン外相はこの会談で、自国や地域・国際問題に対するイランの姿勢を率直に説明しました。
そして、グテーレス氏との会談について、「ウクライナ戦争やシリア情勢、イエメンの停戦協議、イランとIAEA・国際原子力機関との関係、核合意と制裁解除交渉、米国との囚人交換、米国による違法な制裁、国連事務総長主導によるペルシャ湾岸諸国会議の重要性などについて意見交換した」としました。
この他にも、アミールアブドッラーヒヤーン外相は多くの国の外相らと会談し、地域・国際問題について話し合ったほか、二国間関係の進展について確認しました。
このように、アミールアブドッラーヒヤーン外相は今回のニューヨーク訪問で、イランの外交政策および各国との関係改善を説明し、反体制派が宣伝するようなイメージとは違う本当のイランを示すことができたのです。