視点;エマーディー解説員
イラン国産駆逐艦・デイラマンの導入
イラン国産の駆逐艦「デイラマン」が27日、同国北部バンダレ・アンザリーで行われた式典で、正式にイラン海軍カスピ海艦隊に導入されました。
デイラマンはイラン海軍の「波のプロジェクト」で製造された5隻目の駆逐艦であり、国防軍需省の監督のもとイラン海軍によって設計されたものです。
同プロジェクト最初の駆逐艦は14年前に完成した「ジャマーラーン」で、最高指導者ハーメネイー師の立ち合いのもと、南部ペルシア湾艦隊に配備されました。
その次がジャマーラーンと同時期に製造された「ダマーヴァンド」で、2014年にカスピ海艦隊に配備されました。ダマーヴァンドは、カスピ海に配備された最初の駆逐艦です。
3隻目は、高精度防御システムを搭載した「サハンド」です。サハンドはこのシステムにより、自船および他の艦船を敵の巡航ミサイルから守る能力を有しています。
4隻目は今年3月にイラン海軍第86艦隊を率いて世界航海を達成した「デナー」です。デナーは外観はジャマーラーンやダマーヴァンドと同じですが、電子戦など最先端の装備を導入しています。
イランの艦船建造技術はここ数年で著しく成長し、今回のデイラマンのような最先端の設備を誇る駆逐艦の開発に結実しました。デイラマンは完全に国内技術で製造され、あらゆる防衛・戦闘用システムが備わっています。また、長距離航行のほか、探知、発見、対抗、そして必要に応じて、海上・空中・海中の標的を破壊する能力も備えています。
海軍の艦船は小さな町にたとえられます。それは港を出港した後は、自力で日々必要になるものをまかなわなければならないからです。この点でデイラマンは3カ月にわたって洋上にとどまる能力を有しています。デイラマンの導入により、イラン海軍の今後の航海にますます注目が集まりそうです。