イラン最高指導者、メッカ巡礼開始にあたりメッセージ
イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は15日、今年のイスラム教徒のメッカ巡礼(ハッジ)が本格的に始まったことをうけ、メッセージを発表しました。
【ParsTodayイラン】ハーメネイー師はこの中で、ハッジに「人間性の発展」と「イスラムの精神的要素の強さ」の2つの側面があるとし、ガザ情勢を引き合いに「今年、シオニスト政権とアメリカのような支援国への嫌悪は、ハッジの期間だけでなく、イスラム諸国そして全世界の人々へと広がらなければならない」としました。
ハーメネイー師のメッセージ全文は以下の通りです。
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において
預言者アブラハムの声が、神の命令により、世界中のすべての時代の人々をこのハッジの時期にカーバ神殿に呼び寄せる。今年も世界中からムスリムたちを、この唯一かつ単一の中心地に惹きつけ、その人々の数と多様性を生み出し、人間性の発展とイスラムの精神的要素の強さをムスリム/非ムスリムに見せつけている。
ハッジの大群衆とその複雑な儀式は、注意深く見れば、ムスリムにとって精神的強さと確信をもたらしてくれるものであり、ムスリムの敵にとっては恐怖をもたらすものだ。それゆえ、敵がハッジのこの2つの特徴を壊そうとしても不思議ではない。それが政治的・宗教的違いを煽る形であれ、精神的価値を毀損する形であれ。
コーランはハッジを、神への服従、人間の平等な尊厳、物質的・精神的生活の調和、恵みと導き、道徳的平穏、信徒間の調和、そして敵への嫌悪と対峙が発露する場であるとしている。
コーランのハッジに関する節や、実際のハッジの儀式を注意深く見れば、その秘密が見えてくる。
ハッジに向かう兄弟姉妹たちよ、あなた方はこの真実と知を訓練する場に置かれている。自分の思考と行動をその真実に近づけよ。そして、新たに得たアイデンティティをその知とともに家に持って帰ってほしい。それが何よりのハッジの土産である。
今年、罪を嫌うことは例年にも増して重要だ。ガザの惨状は現代史においても前例がない。シオニスト政権の横暴ぶりは、イスラム教の個人、政党、政府、集団いずれにとっても許されるものではない。今年、シオニスト政権とアメリカのような支援国への嫌悪は、ハッジの期間だけでなく、イスラム諸国そして全世界の人々へと広がらなければならない。
シオニスト政権とアメリカのような支援国への嫌悪は、各国政府が言葉と行動で示し、彼らに圧力をかけなければならない。
パレスチナの抵抗、その開花であるガザ市民の忍耐に世界は称賛せざるを得なくなっている。この抵抗は全面的に支援されるべきだ。
彼らの完全かつ速やかな勝利を、そしてあなた方ハッジ巡礼者の巡礼が受け入れられることを神に乞う。イマーム・マフディーの祈りがあなた方を支えてくれる。
あなたに平安と神の加護があるように。
セイエド・アリー・ハーメネイー
イスラム暦1445年ズー・ル=ヒッジャ月4日
イラン暦1403年ホルダード月22日
西暦2024年6月11日