7月 22, 2024 14:22 Asia/Tokyo
  • イラン国会議員らとの面会で演説するハーメネイー師
    イラン国会議員らとの面会で演説するハーメネイー師

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は21日、国会議員・議長らと面会し、「実行力があり、信仰に篤く、革命に忠実な政府」をつくる上で、新大統領と国会はともに責任を負うと強調しました。

【ParsTodayイラン】今年3月の選挙で当選した第12期国会議員とハーメネイー師が面会するのは、今回が初めてです。ハーメネイー師はこの面会で、「国会の説明責任」「国会と新政権との建設的な対話」「国会論戦での倫理の遵守」「国会議員の活動実績の監督」「外交・国際的課題への国会の関与」など多くの重要な点を指摘しました。

また、先日の大統領選挙で当選したペゼシュキヤーン氏と国会が新政権を発足させる上でともに責任を果たし、「実行力、信仰心、革命精神、将来への希望、清廉さと誠実さ、祖国への信頼にあふれた政府」が発足することに希望を示しました。

ハーメネイー師はその上で、ペゼシュキヤーン次期大統領が経済、文化、外交などの分野で挙げる成果は、国会議員も含めた全員の成果だとし、「ペゼシュキヤーン氏が成功することは、我々全員の勝利であると心の底から信じ、全員で次期大統領の職務遂行を支えるべきだ」と訴えました。

 

ハーメネイー師と国会議員らの面会に出席したペゼシュキヤーン次期大統領(中央) ペゼシュキヤーン氏も大統領選までは国会議員だった


ハーメネイー師はまた、今回の大統領選期間中に、イランの敵がSNS上で各候補に関する嘘やネガティブキャンペーンを仕掛け、支持者どうしの対立・分断をもたらしたことに触れ、「SNS上で見るものすべてを相手候補が仕掛けたことだと考えてはならない」と述べました。

一方、外交や国際的課題において国会が果たしうる役割について、「議会は、政府が対外交渉において利用しうる重要な重しである。例えば、議会の反対や承認の必要性を交渉の場で持ち出して、自らの立場を守るのに使うことができる」と述べました。

また、先日のBRICS会議にガーリーバーフ国会議長が出席したことを引き合いに、議員・議長外交の有用性を説き、「外交問題において、議員が出すひとつの声明が効果を発揮する時もある」と述べました。

ハーメネイー師は、政府が議会を活用することは世界でも一般的であるとして、

「アメリカがイランに課した制裁は、米議会によって可決されたものだ。その法案は当時の民主党の大統領(=オバマ氏)によって署名され成立した。イランとの協調を謳いつつ制裁法案に署名する二枚舌で、狡猾さでは我々よりも一枚上手だった」

と述べました。

ハーメネイー師は、先の大統領選で制裁が候補者や有権者の間で繰り返し話題に上ったことをうけ、国会がこの問題で役割を果たせると指摘し、「我々は制裁を威厳ある方法で無効化することができる。何度も述べてきたように、制裁の解除は我々の裁量ではなく、相手方次第である。しかし、制裁の無効化は我々にできることだ。それにはいくつもの良い方法があり、これまでにも政府がそれを実施し、よい効果を得てきた。国会もこれに関連して役割を果たすことができる」と述べました。

ハーメネイー師はこの日の面会の最後に、パレスチナ・ガザ情勢はイスラム世界の最優先課題だとし、「イスラエルによる犯罪が数カ月続き、一部では当初みられた非難が下火になっている。しかし、ガザの重要性はその時よりも増している」と語りました。

ハーメネイー師はこれに関連し、地域の抵抗勢力の実力が日に日に向上していることについて、

「アメリカという政治・経済・軍事の大国が、イスラエルとともに抵抗勢力という小さな集団と戦っている。そして、それらを屈服させることができずにいるからこそ、病院や学校、女性や子供たちの頭上を爆撃するのだ」

と語りました。

そして、イスラエルによる犯罪が極まっていることを世界が目撃しているとし、議員らに向けて「ガザについて冷静を装ったり、沈黙したりすべきではない。今、国会が外交問題について活動できるのは、ガザ情勢だ」と語りました。

 


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