イラン国家安全保障最高会議書記「IAEAは前代未聞の破壊的な状態に陥った」
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イラン国家安全保障最高会議のラリージャーニー書記
イラン国家安全保障最高会議のラリージャーニー書記は、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長の行動について「恥知らずで破壊的なものだ」とし、「IAEAはイランにとってもはや何の存在意義もない」と痛烈に批判しました。
【ParsTodayイラン】イラン最高指導者ハーメネイー師の顧問でもあるラリージャーニー書記は、ハーメネイー師のサイト・KHAMENEI.IRとのインタビューで、「交渉の旗は常に手中にあるべきだ」という同師の発言に言及し、「外交は政府の任務の不可分の領域だ」との考えを示し、「イランは決して外交を放棄することはないが、交渉が実を結ぶのは、相手側が『不屈の精神で抵抗するイラン国民を戦争によって屈服させることはできない』という結論に至った時だけである」と述べました。
ラリージャーニー書記は「西側諸国の外交は口実を作るための外交である。だからといって、我々は外交を断ち切るなどと言うべきではない。敵は外交を利用して口実を見出そうとしている」としました。
イランは抵抗戦線を断固として支援
ラリージャーニー書記はまた、西アジア地域で抵抗戦線が弱体化しているという主張を否定し、「もし弱体化しているのであれば、なぜ彼ら(敵)は抵抗組織に執着し、これほどの圧力をかけるのか? 圧力をかけるということはそれだけ相手が強力だということだ」と述べました。
また、「抵抗は敵の行動の直接的な結果であり、圧力が強ければ強いほど抵抗は深まる」と指摘しました。さらに、「我が国は抵抗運動を常に支持していている。それは、抵抗こそ純粋な潮流であり、貴重な資産だと考えているからだ」としました。
IAEAを痛烈に批判
ラリージャーニー書記はさらにIAEAのグロッシ事務局長を強く批判し、「彼の行動は破壊的でスキャンダルに塗れ、西側諸国に完全に支配されている」とし、「エルバラダイ氏の任期中(1997~2009)以来、IAEAが今日ほど破壊的な状態に陥ったことはなかった」と語りました。加えて、米・イスラエルによるイランの核施設への爆撃とIAEAの沈黙に触れ、「各国にとって、IAEAの役割とは何かという疑問が浮上している。実際にIAEAは我々にとって、何の存在意義も有していない」と強調しました。
イランは屈服しない
さらに「イランは決して圧力に屈しない」と強調し、「核拡散防止条約(NPT)からの脱退は常に可能な選択肢ではあるものの、この決定は慎重に、そして実利を追求するために行われるべきだ」と語りました。そして、主要な解決策は「力」にあるとし、「力があれば、物事は前進する。したがって、イランは力を追求する必要がある。この言葉を核政策に当てはめるとすれば、交渉を排除すべきではないが、交渉において屈服してもいけないということだ」と述べました。
スナップバック条項と欧州の行動に対する評価
ラリージャーニー書記は、核合意のスナップバック条項(イラン側に合意違反が確認された場合、他の締約国が国連制裁を再発動できるプロセス)に関して、「欧州の行動はアメリカの作戦の一環であり、国際基準に反する」とし、「法的手続きを踏まずにこのメカニズムを即座に利用することは、平和的解決という論理的な道筋を無視するという西側諸国の圧力行使に基づく政治的な動機を示すものだ」としました。

