キュロスの円筒碑文:世界平和に向けた古代イランからのメッセージ
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今から2600年前、アケメネス朝ペルシャの支配者であったキュロス2世は、粘土の円筒に碑文を刻みました。この碑文は、世界最初の人権宣言として知られています。
(last modified 2025-11-20T11:18:58+00:00 )
11月 20, 2025 19:59 Asia/Tokyo
  • キュロスの円筒碑文(現在は大英博物館に保管)
    キュロスの円筒碑文(現在は大英博物館に保管)

今から2600年前、アケメネス朝ペルシャの支配者であったキュロス2世は、粘土の円筒に碑文を刻みました。この碑文は、世界最初の人権宣言として知られています。

【ParsTodayイラン】キュロス2世はこの碑文に次のように記しています。

「私はすべての人々に自由を与え、彼らが自分の神々を崇拝できるようにした。私は廃墟を再建し、不正を許さなかった」

この碑文は、イラン、タジキスタン、イラクの3カ国が20年以上働きかけた末、今年11月6日、ユネスコの第43回総会において世界文化遺産に登録されました。

 

碑文は何を語っているのか?

イランの考古学者ファルハード・ザーレェ氏は、この碑文の内容について次のように述べています。

「キュロス2世は最初の20行で、古代の重要都市であったバビロンについて語り、その後、自身とその血統を紹介している。20行目以降は、自身が行った功績やバビロンの征服について説明している。キュロス2世はバビロンを無血征服し、バビロンに囚われていたユダヤ人捕虜を解放し、エルサレムの再建を命じたことを記している」

「この碑文は寛容の精神に満ちている。キュロス2世は、兵士たちに対して市民の命、財産、名誉を侵害しないよう命じ、遠征の途中に木があれば、その木を切ることを許さなかったと言われる」

 

古代イランからのメッセージ

別の考古学者モハンマド・ナスィーリー・ハギーガト氏は、「この碑文が2600年以上前に書かれたものであり、イラン人がその時から人権というものを重要視していたことを示している」と語ります。

ハギーガト氏は「現在、世界中の人々がこの古代の碑文を参照し、そこから平和と安らぎ、そして共に生きるための概念を得ることができる。これはイランから世界に送られたメッセージだ」と語りました。

この碑文を書いたキュロス2世は、イラン南部シーラーズ近郊にあるパサルガダエ遺跡に眠っています。イラン人たちはこの墓のもとで、世界に向けて、平和と寛容の精神がイランの大地に根ざしており、人間としての尊厳を尊重する言葉が数千年前から使われていたことを思い出しています。

 


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