バーゲスターン村;1000年の歴史と2700ヘクタールの面積を誇るカズヴィーンの生ける遺産、農業の至宝
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バーゲスターン村は、テヘラン西部カズヴィーン州を取り囲む古代の農業地帯であり、1000年以上の歴史と約2700ヘクタールの面積を誇り、都市を包み込み息を呑むほど美しい緑の宝石として知られています。
(last modified 2026-09-25T20:02:13+00:00 )
9月 26, 2026 04:53 Asia/Tokyo
  • バーゲスターン村;1000年の歴史と2700ヘクタールの面積を誇るカズヴィーンの生ける遺産、農業の至宝
    バーゲスターン村;1000年の歴史と2700ヘクタールの面積を誇るカズヴィーンの生ける遺産、農業の至宝

バーゲスターン村は、テヘラン西部カズヴィーン州を取り囲む古代の農業地帯であり、1000年以上の歴史と約2700ヘクタールの面積を誇り、都市を包み込み息を呑むほど美しい緑の宝石として知られています。

イラン北西部、テヘランの西方130キロメートルに位置するカズヴィーン市を訪れる多くの観光客の間では、この街は数多くの史跡や歴史的建造物という遺産により名声を博しています。しかし、カズヴィーン州ガズヴィーン郡西アラムート区にあるバーゲスターン村自体も同州内で最も有名な観光名所のひとつであり、地域的にも国家的にも重要な、他に例のない文化的景観を誇っています。

【ParsTodayイラン】イラン国営衛星通信プレスTVによりますと、バーゲスターン(ペルシャ語で「庭園の地」の意味)村はイランの国家遺産リストに登録され、FAO国連食糧農業機関にも認定されており、かつては東、南、西から街を取り囲み、U字型の緑地帯を形成していました。

この伝統的な天然の大庭園的景観の重要な要素を成しているのはアーモンドとピスタチオの樹木であり、この地域の準乾燥気候を反映し、地域社会が環境条件に合わせて農業手法をどのように適応させてきたかを物語っています。またこの地域では全域にわたりブドウ、アプリコット、クルミも栽培されています。

かつては地域経済の支柱であったこの広大な緑地は、今や都市の肺として機能しています。また、砂嵐、洪水、強風に対する自然の防壁としても機能し、これらの環境災害の影響の緩和に大きく役立っています。

歴史に見るバーゲスターン村

ガズヴィーンに広がる数々の天然の大庭園が、多くの旅行家や歴史家の著した旅行記や著作に登場していることは、この古代の景観の重要性と美しさを物語っています。中でも、最も有名な歴史的記述の一つは、イランの著名な旅行家ナーセル・ホスローによるもので、彼はカズヴィーンを、壁や障壁のない広大な大庭園のある美しい都市と描写しています。

また、一部の資料によれば、ガズヴィーンのバーゲスターン村について初めて記述した人物の1人は、10世紀のアラブ人地理学者イブン・ハウカルで、それは今から1100年前のことだと言われています。彼は当時、この都市には多くの樹木とブドウ畑があり、その灌漑は主に雨水に依存していたと述べています。

それから時代が下って、サファヴィー朝時代にイランを訪れたフランス人旅行家、ジャン=バティスト・タヴェルニエ(Jean-Baptiste Tavernier1605 - 1689)もまた、カズヴィーンに広がる天然の大庭園の壮麗さと美しさに感銘を受けており、この都市には城壁や土塁がなく、その半分以上が庭園で占められていた」と記しています。

カズヴィーンの庭園に関する記述はこの他にも、13世紀~14世紀にかけての著名なイランの地理学者・歴史学者のハムドッラー・モストウフィの他、『ガズヴィーン情報の年代記(Al-Tadwin fi Dhikr Akhbar Qazvin)』を著した13世紀のガズィーンのイスラム学者アブドゥルキャリーム・ビン・ムハンマド・ラフィーイー、地理書『諸国の遺跡と信者の情報(The Monuments of the Lands)』の著者で13世紀のガズヴィーンの地理学者・法学者のザカリヤー・ビン・ムハンマド・ビン・マフムード・カズヴィーニー、そして17世紀から18世紀にかけて活躍したフランスの旅行家ジャン・シャルダンの著作にも見られます。

チャーフハーネ;庭園の中心部にある歴史的建造物

ガズヴィーン州バーゲスターン村の数ある見どころの1つに、チャーフハーネと呼ばれる、大庭園内にある屋根付きの休憩所が挙げられます。

これらの建造物はかつて庭師の休憩所として、また倉庫としても利用されていました。ここにはかつて、およそ100棟の休憩所があったと考えられていますが、その多くは時の流れとともに失われてしまいました。

かつては、庭師らがこれらの構造物を共同で利用し、収穫が終わり市場に出荷できる状態になるまで、一時的に農産物を保管していたとされています。

現存する屋根付き休憩所の建物の中にはサファヴィー朝時代にまで遡るものもあり、最も新しいものはパフラヴィー朝時代に建てられました。しかし、伝統的な庭園における雇用と農業活動が衰退するにつれ、これらの建造物は徐々に使われなくなっていったのです。

多くの休憩所は損傷または破壊されているものの、残存する建物はカズヴィーンの文化遺産当局によって保護されており、また一部は近年になって修復されています。

壁のない天然の大庭園

カズヴィーンにある天然の大庭園の最も際立った特徴の一つは、周囲を囲む壁や柵がないことです。これは、周囲を囲まれた現代の多くの庭園や公園とは一線を画すものです。

もっとも、この特徴は近年になって生まれたものではありません。歴史的な記録にも、カズヴィーンにある天然の大庭園は開放的で誰でも自由に立ち入りできると記されており、この特徴は幾世紀にもわたってそのアイデンティティの一部として受け継がれてきました。

見学のベストシーズン

残念ながら、過去半世紀にわたる都市の無秩序な拡大、利潤優先の土地の投機や乱用、そして生活様式の変化により、カズヴィーンの緑地の大部分が失われてしまいました。しかし、残された緑地帯は今なお、都市と自然環境との深い繋がりを垣間見ることができる、驚異的な景観を醸し出しています。

アーモンドの木は2月下旬から3月中旬にかけて開花し、これらの開放庭園を壮大な花の大海へと変貌させています。

イランの春の新年・ノウルーズの時期にカズヴィーンを訪れる旅行者は、一年で最も美しい時期の1つにおいて、この貴重な緑の遺産を体験する機会が得られます。

穏やかな春の陽気、日本の桜の満開を思わせるアーモンドの花々、そして晩冬から早春にかけての雨によって緑豊かな牧草地へと姿を変える平原は、観光客の行楽と散策にとって素晴らしい景観を生み出します。

FAOにより世界農業遺産に正式認定

ガズヴィーン州バーゲスターン村は2023年11月、FAO国連食糧農業機関により56番目のGIAHS世界重要農業遺産システム地域として正式に認定されました。

この登録による大きなメリットの1つは、重要な観光地としてのバーゲスターン村の紹介に大きく寄与したこと、そしてそこで生産される農産物が国際市場に進出する機会を創出したことです。

今日では、3000人以上の農作業者や地主らがこの素晴らしい伝統的な景観の管理・耕作に参加し、カズヴィーン中心部の数世紀にもわたる農業遺産を守り続けているのです。

 


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