9月 23, 2016 19:25 Asia/Tokyo
  • イラン大統領の国連演説

イランのローハーニー大統領が、第71回国連総会で演説し、地域・国際分野におけるイランの原則的な政策を説明すると共に、中東・北アフリカでの拡大する暴力やテロについて語りました。

キャラミー解説員

ローハーニー大統領は22日木曜、国連総会で各国の首脳を前に、中東における暴力の根源について説明し、「このニューヨークの街で起こり、多くの人に影響を及ぼした痛ましいテロから15年以上が経過した」と語りました。

ローハーニー大統領は、「その日、この事件が、より大きな悲劇、中東での破壊的な戦争、世界の情勢不安の拡大の下地になるとは誰も想像しなかった」としました。さらに、総会に出席した各国の首脳に対し、「ニューヨークでのテロと暴力によって始まった今世紀は、中東での敵対や拡大する戦火によって続けられるべきではない」としました。

2001年のアメリカ同時多発テロでは、テロ組織アルカイダによってアメリカの経済・軍事的に重要な拠点が攻撃されました。この事件は、アメリカの政策を変化させ、アフガニスタンとイラクへの侵攻の口実になりました。アメリカの政治家や軍事関係者は、テロリストへの先制攻撃をアメリカの国家安全を保障する方法だとし、アメリカの同盟国もテロ攻撃の標的にならないよう、アメリカと同じ道を進みました。9.11は西アジアで新たな戦争を引き起こし、この戦火は全てのものを飲み込み、国境を越えています。この戦争はアメリカとその同盟国が、テロに対する先制攻撃としてアフガニスタンやイラクで開始したものでしたが、このような悪しき現象を根絶するのではなく、世界各地にテロの種を撒き散らしました。

現在9.11から15年が経過し、世界はさらに不安定になり、西アジアから北アフリカまで、非論理的で盲目的なテロが発生し、世界に恐ろしい影を投げ落としています。

9.11の攻撃を行ったのは、アルカイダの19人のメンバーですが、西側、特にアメリカのテロ対策の結果、ISISやヌスラ戦線、ボコハラムなどのテログループのメンバーが、世界各地で活動を行っています。

こうした中、9.11後の世界のテロ拡大の理由は、西側の政策の中に見出せます。ローハーニー大統領も、国境を越えた野蛮なテロという現象は、この15年の大国の安全保障戦略の結果だとしました。9.11から15年、世界の状況はテロ対策の主張者にとっての明らかな経験となっています。その経験は、世界のある地点の安全は、他の地点を情勢不安にすることで実現することができないばかりか、更なる情勢不安を煽ることになる、ということを示しているのです。

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