一日一冊、本の紹介(14)
メフディー・ショジャーイー著、『へジャーブをまとった太陽』は、ゼイナブについて書かれた本です。
メフディー・ショジャーイー氏は、この本の中で、西暦680年に起こった、カルバラでのシーア派3代目イマーム・ホサインの殉教や美しい言葉を、ゼイナブの言葉として語っています。ショジャーイー氏はこの中で、フィクションを歴史的な現実と混ぜ合わせており、その結果、イマーム・ホサインとその妹のゼイナブの苦しみを現実的にかつ美しく語っています。
著者はまさにそのとき起こったことを語る、ゼイナブとともにいた語り手のように、思い出すような形で語りかけます。この物語は詩的な言葉を使って書かれており、著者はその中で、ゼイナブの幼いころからイマーム・ホサインのカルバラの殉教までの、彼女の様々な生涯について触れています。
『へジャーブをまとった太陽』は、彼女が子供のころに見た悪夢から始まります。その悪夢は、嵐の中から生じ、世の中を黒く染めます。この夢は将来彼女のみに起こる出来事を指摘しています。この出来事の中での彼女の忍耐により、アーシュラーの殉教に力強く立ち会った、彼女の輝ける人格が歴史の中に記されているのです。
この本はゼイナブが耐え忍んだ大きな苦しみと悲しみについて語っています。ゼイナブはシーア派初代イマーム・アリーとファーティマの娘で、カルバラーでは兄のイマーム・ホサインに同行しました。イマーム・ホサインとその教友がカルバラで殉教した後、ゼイナブは女性や子供とともに捕虜になり、カルバラでの殉教の正当性を擁護するために全力を尽くしました。また、ウマイヤ朝の圧制者ヤズィードの前でコーランの論証による演説を行い、歴史に名を残しました。これは彼女が宗教とコーランについての深い知識を持っていたことを示しています。
この本はこれまで数度にわたり再版され、最も人気のあるメフディー・ショジャーイーの著作のひとつです。ショジャーイーは新聞記者であり、物語作家でもあり、文学や宗教に関する物語を記しています。この本は18章に渡ります。