1日1冊、本の紹介(46)
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イランイスラム革命の創始者ホメイニー師は、その生涯において、イスラム法学や倫理、哲学、神秘主義の分野に関する85の著作を、ペルシャ語とアラビア語により執筆しました。
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1月 18, 2017 17:27 Asia/Tokyo
  • 1日1冊、本の紹介(46)

イランイスラム革命の創始者ホメイニー師は、その生涯において、イスラム法学や倫理、哲学、神秘主義の分野に関する85の著作を、ペルシャ語とアラビア語により執筆しました。

アラビア語で数字の40を意味する『アルバイン』というタイトルの著作は、40の伝承・ハディースを説明したものです。そのうち33の伝承は倫理に関するもので、残りの7つは信条に関するものです。40の伝承を暗誦し、説明することは、過去の時代から宗教学者たちの間で非常に重視されてきました。このテーマの根源は、統一したテーマ及び様々な方法により、シーア派とスンニー派の人々の間に広まっていた書物において、イスラムの預言者ムハンマドについて語られていた伝承です。預言者ムハンマドの伝承では、次のように述べられています。

「我がイスラム共同体が必要とする宗教関連の伝承を暗誦し、これを実施した者には、神が最後の審判の日にイスラム法学者と交流させてくださる」

この書籍を包括的に研究することにより、そこに収められている伝承の選択や編纂の思考的な背景に何らかのアイデアが存在していたことがわかります。そして、そのアイデアとは、倫理が人間が神に向かって歩むべき行状の面での道であることだとされています。このため、伝承は人間の紹介やその本質的な特徴、また神の性質の説明においても登場してくるものであり、倫理的な行動の出発点と終着点を明らかにしています。しかし、伝承の多くは、倫理的な行動の質、そして自分の殻を抜け出して神に向かう行動における障害物の認知に関するものです。また、そこには思想や誠実さ、感謝の心、神への礼拝、確信、ざんげ、忍耐、神を思い起こし神を拠り所とすることに関する伝承とこれに沿った行動の要素や段階が述べられている一方で、倫理的な行動から外れる障害物を認知するために、偽善、狡猾さやうぬぼれ、傲慢さ、嫉妬、色欲、陰口、疑い、誘惑などに関する伝承も存在します。この書籍の編纂者の見解では、人間をこうした動物的な欲求というくびきから解放しうるものは、人間の内面や心の教育だとされています。預言者が神からもたらした哲学や、人間の知性を働かせることは、まさにこうした人間の心の教育といえるものです。

この著作の編集作業は、1939年に終了し、1979年のイスラム革命後に何度も再版されています。