週刊イラン
この1週間の主な出来事です。 イラン、ロシア、アゼルバイジャンの首脳会談がテヘランで開催されました。 数百万人の巡礼者が、イラクのイマームホサイン廟に向かっています。 覇権主義との闘争の日の行進が実施されました。
この数日、イランとイラクの国境の町は、イラク・カルバラのイマームホサイン廟を訪れようとするシーア派の巡礼者たちで溢れかえっています。イランの人々だけでなく、近隣諸国の巡礼者たちも大勢、シーア派3代目イマーム、ホサインを追悼する行進に参加するため、イランからイラクに向かっています。
11月9日にあたるイスラム暦サファル月20日は、イマームホサインとその教友たちがカルバラで殉教した日から40日目のアルバインの日です。この日、世界中から何百万人という巡礼者が、アルバインの追悼儀式に参加するため、カルバラに入ります。
先週、テヘランで、ロシア、アゼルバイジャン、イランの首脳会議が開催されました。
この会議は、3カ国の戦略的な関係の拡大を強調した声明を発表し、幕を閉じました。
この会議は、政治的な観点から特別な重要性を有していました。また、会議の傍らで、ロシアとアゼルバイジャンの大統領が、イランの最高指導者と会談しました。
ロシアのプーチン大統領は、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師と会談した際、今回のイラン訪問と最高指導者との会談に心からの満足の意を示し、「イランはロシアにとって、偉大な隣国、戦略的なパートナーであり、さまざまな分野の関係の拡大と強化に向けて、あらゆる機会を活用していく」と強調しました。
ハーメネイー師は、プーチン大統領との会談で、数カ国の支援を受けたテロリストに対するイランとロシアの抵抗は、重要な結果につながるとし、「シリアのテロリストを支援するアメリカ主導の有志連合軍の敗北は、否定できない事実であるが、彼らは今も陰謀を企てている。そのため、シリア問題を完全に解決するためには、確かな協力を続けることが必要だ」と語りました。
ハーメネイー師はまた、アゼルバイジャンのアリエフ大統領と会談し、両国の深い結びつきと協力拡大の必要性に触れ、「倍の意志により、さまざまな分野での協力や関係を拡大すべきだ」と語りました。
政治・安全保障問題の専門家であるべへシュティプール氏は、イラン、ロシア、アゼルバイジャンの首脳会議の重要性について次のように語っています。
「イラン、アゼルバイジャン、ロシアは、アゼルバイジャンとロシアが、鉄道などによって陸路からペルシャ湾やオマーン海にアクセスできるよう、北と南を結ぶトランジットルートを活性化しようとしている。また、イランが鉄道によって北コーカサスやアゼルバイジャンにアクセスするための状況も整うだろう。イラン、アゼルバイジャン、ロシアの3カ国は、石油・天然ガスの生産国であり、3カ国の協力は石油市場でも、また石油とガスのヨーロッパへの移送においても影響を及ぼす。このことから、今回の訪問では、エネルギーや技術といった分野の3カ国の新たな協力が提起された」
こうした中、このような目的の傍らで、プーチン大統領は、別の目的も追求していました。べへシュティプール氏は次のように語っています。
「イランとロシアの協力は、近年、政治や安全保障などの分野で拡大している。この協力の最たる形が、シリア問題とシリア政府のテロとの戦いへの支援である。二国間関係では、政治とともに、技術や経済といった分野も考慮に入れる必要がある。たとえば、現在、ブーシェフル原発の第2、第3フェーズの問題が提起されている。これは、イランとロシアの原子力発電における新たな協力を示すものだ」
11月4日にあたるイラン暦アーバーン月13日は、覇権主義との闘争の日でした。
アーバーン月13日、イラン暦のこの日、イランでは、異なる3つの年に、覇権主義に対するイラン国民の闘争の歴史において重要な出来事が起こりました。イランのパフラヴィー政権がイスラム革命の指導者ホメイニー師をトルコに追放した日、イスラム革命勝利を前に王政によって児童や生徒多数が殺害された日、そして革命を支持する大学生がテヘランのアメリカ大使館を占拠した日です。
ハーメネイー師は、先週木曜朝、アーバーン月13日の覇権主義との闘争の日を前に、児童生徒や大学生数千人を前に演説しました。ハーメネイー師はこの中で、アメリカがイランに敵対する理由について重要な表明を行いました。ハーメネイー師は次のように強調しています。
「アメリカは、言葉通り、真の意味での敵である。これは実際、否定的な見方や偏った考え方からくるものではなく、経験、問題の正しい理解、事実を見たことからくるものだ」
ハーメネイー師は、アメリカのイラン国民に対する深い敵対は、彼らの目算の誤りと、過去の過ちの繰り返しによるものだとし、「アメリカは、実を結ばない陰謀を続けている。なぜなら、彼らは敵対心によって、正しい判断を下し、事実を目にして理解することができなくなっているからだ」と語りました。
イランの政治史の中では、覇権主義勢力に対する数多くの蜂起が行われてきました。そのそれぞれが、イランの政治的な変遷の中で、特別な重要性を有しています。中でも、スパイの巣窟であったアメリカ大使館の占拠事件は、特に重要です。1979年11月、イランの大学生は、イスラム革命に対するアメリカの数々の陰謀に抗議し、テヘランのアメリカ大使館を占拠しました。この日は実際、革命を支持する若者たちの日であり、彼らはアメリカのスパイの巣窟を占拠することによって、敵の動きを阻止しました。
先週、イラン外務省のジャーベリーアンサーリー・アジアアフリカ担当次官が出席する中、カザフスタンのアスタナで、シリア和平協議の新ラウンドが開催されました。アスタナで開催されてきたこれまでの7回の協議には、シリア政府の代表団、包括的な停戦協定を受け入れた反体制派の他、イラン、ロシア、トルコが出席しました。
シリア危機は、地域のパワーバランスをシオニスト政権イスラエルに有利な形に変えるため、サウジアラビア、アメリカ、そしてその同盟国の支援を受けたテロ組織が大規模な攻撃を仕掛けたことにより、2011年から始まりました。しかし、シリア政府軍は、抵抗勢力の協力を得て、この数か月、テロ組織に大きなダメージを与えてきました。ジャーベリーアンサーリー外務次官は、2日間の協議を終えた後、記者会見で、「この協議の重要な結果は、シリアに緩衝地帯を設けることになったことだ」と語りました。
アスタナでの7度目のシリア和平協議は、すべての関係グループが出席し、シリアの領土保全とテロや過激派との戦いを強調する共同声明を発表し、先週火曜夜、閉幕しました。
抵抗陣営を弱め、疲弊させることが、シリア戦争におけるアメリカやシオニスト政権の計画的な真の目的でした。シオニスト政権は、地域におけるISISの陰謀や情勢不安を続けさせ、サウジアラビアや一部のペルシャ湾岸諸国と戦略を同調させることにより、この悪しき目的を追求しようとしています。しかし、こうした陰謀にもかかわらず、抵抗陣営は、シオニストの敵に対する抑止力となっています。
これについて、最高指導者のハーメネイー師は、先週、レバノンの抵抗ウラマー国際連盟のハムード会長にメッセージを寄せ、次のように強調しました。
「シオニストの侵略的な政権との多様な闘争の継続を、この重大な責務を感じているすべての人に勧告する」
ハーメネイー師はさらに、次のように語っています。
「神の約束は、この闘争の絶対的な援助であり、あなた方の現在の会議は、この大きな動きの一環である」