国連安保理理事国、核合意の完全な実施を強調

国連安保理が、核合意に関して意見交換を行うための会合を開催し、アメリカを除くほかの加盟国は、イランは核合意の取り決めを遵守しているとしました。

国連のフェルトマン事務次長は、19日火曜夜、国連安保理の会合で、ＩＡＥＡ国際原子力機関は、これまで9回にわたり、イランが核合意を遵守していることを認めているとし、「それでもなお、アメリカのトランプ大統領は、イランの核合意の遵守を認めなかった」と語りました。

また、このトランプ大統領の決定に遺憾の意を示し、アメリカ政府に対し、核合意の取り決めを実施するよう呼びかけました。

ＥＵの代表は、この会合で、核合意の実施から2周年が近づいていること、トランプ大統領がイランの核合意の遵守を認めなかったことに触れ、「ＥＵは、すべての関係国が取り決めを完全に実施するよう訴えている」と述べました。

アメリカのヘイリー国連大使は、会合のテーマをミサイル問題に変えようとし、先ごろ、イエメンからサウジアラビアに発射された弾道ミサイルについて、「イランはイエメンに武器を移送している」と主張しました。

ヘイリー大使はさらに、イランがイエメンに移送したとする武器の残骸を示した、先週の自身のプロパガンダ行動に触れ、「イエメンのミサイルがイラン製のものであることを示す多くの証拠が存在する」と主張しました。

ロシアの国連次席大使は、核合意は、世界の平和と安全の維持における成果だとし、「核合意の代替は存在せず、その破棄は正当化されない」と述べました。

スウェーデンの国連大使は、核合意はイランの核活動の平和的な本質を示したとし、「この合意は、世界の平和、安定、安全を促した」と強調しました。

中国の国連大使は、「核合意は、世界の核不拡散体制の安定と、中東の安定や平和の維持に重要な役割を果たした」と述べました。

イギリスの国連大使は、「イランの核合意は、近年最大の外交の成果のひとつだ」と強調しました。

ドイツの国連大使は、「核合意の維持は非常に重要であり、すべての側面において実施されるべきだ」と強調しました。