最高指導者の考える西側のダブルスタンダード
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、10日日曜、イランの大学や学術センターの教授や研究者、数百人を前に演説し、その中で、国際社会におけるイランの地位について語りました。
ハーメネイー師は、世界各国の多くの人々の間でイランは高い地位を得ているとし、次のように述べました。
「イランは、価値のない高慢な国々の中に多くの敵を有している一方で、地域や多くの国の人々の間で高く支持され、影響力を持っている。そのため、敵は常に陰謀を企ててきた。だが、神の恩恵により、彼らはイランとイスラム体制に対して今後も敗北を続けるだろう」
ハーメネイー師はまた、理不尽な大国のダブルスタンダードと、彼らによる侵略的な政権への支援に触れ、このような支援が、地域や世界の人々への、情勢不安、戦略、テロの拡大、戦争の強要につながっているとしました。ガザの女性や子供の殺害、500万人を超えるパレスチナ人の難民化は、パレスチナ人を長年にわたって苦しめてきた現実です。ハーメネイー師はこれについて、シオニスト政権のネタニヤフ首相が、ヨーロッパを訪問した際、抑圧されているように振舞ったことに触れ、次のように語りました。
「歴史上のすべての圧制者の頂点にいるこの犯罪者は、ヨーロッパの人々に対し、イランは我々と数百万人のユダヤ人を消滅させようとしていると偽りを述べたが、イランのパレスチナ問題に関する解決策は、完全に論理的なもので、民主主義の原則に基づいている」
明らかに、パレスチナ問題は、イスラム世界の問題であるだけでなく、国際法の遵守や人権擁護の主張をはかる試金石です。パレスチナ問題については、2つの否定できない点が存在します。
一つ目は、一国の国民の踏みにじられた権利であり、それは回復される必要があります。
二つ目は、国際社会や関係機関、特に国連や国連安保理などの責務の履行における怠慢です。これらの機関の本来の責務は、侵略や占領に対処し、虐げられた人々の権利を守ることです。しかし残念ながら、これらの機関は責務を履行するのではなく、沈黙を守っており、理不尽な大国の不当な目的を推進するための手段になっています。
ハーメネイー師はこれについて、ガザやベイトルモガッダス・エルサレムにおけるシオニストの犯罪に対するヨーロッパの沈黙を批判し、次のように語りました。
「私はこれまでずっと、パレスチナの歴史的な国家における統治体制を決定するためには、世界のすべてが容認する方法により、世論の見解に訴え、パレスチナ被占領地の国内外にいて、すくなくとも80年はこの領土にいたキリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒など、すべての本来のパレスチナ人に意見を求め、国民投票を行うべきだと語ってきた」
ハーメネイー師は、この事実についても触れ、次のように語りました。
「正式に、国連にも登録されているイランのこの計画は、世界が容認する規準に従っていないだろうか? それなのになぜ、ヨーロッパはそれを理解しようとしないのか?」
この疑問やその他の多くの疑問に対する答えは、人権や民主主義に関して偽りのスローガンを叫ぶ、政治家の言動におけるダブルスタンダードに見出すべきでしょう。歴史の中で最大の犯罪は、これらの国や、彼らとつながりのある人々によって行われています。シオニスト政権やサウジアラビアといった政府は、実際、こうした人道に反する悪しき流れの産物です。
この中で、人権擁護を主張する人々が沈黙し、各機関が、ガザにおけるシオニスト政権の犯罪に真剣に対処していないことが、パレスチナ人に対する歴史的な圧制の継続を促しているのです。