視点; 国連の新報告書、国連事務総長の米国の新たな対イラン陰謀への迎合
-
ムーサヴィー報道官
イラン外務省報道官は、「サウジアラビアのアラムコの石油施設に発射されたミサイルがイランからのものであったとする、国連事務総長の新たな報告は、イランに対する新しい米国の政策と陰謀に完全に迎合している」と述べました。
イラン外務省のムーサヴィー報道官は15日月曜の記者会見で、ミサイルがイランからのものであったという証拠はどこにもないとし、「国連事務総長は、特定の国から圧力をかけられており、そして国連安保理のすべての理事国もこの件に関してはよく理解している、根拠のない報告書を読み上げた」と語りました。
イエメン軍はサウジアラビアの犯罪への報復として、昨年9月14日、サウジアラビアのアブカイクにあるサウジ石油公社アラムコの石油精製所2か所に対して激しいミサイル攻撃を行いました。この報復攻撃はサウジアラビアに大きな打撃を与えることになりました。サウジアラビアと米国はこの攻撃に反応し、攻撃に使われたのがイラン製ミサイルであったと主張しましたが、この主張は国連捜査官により否定されています。
グテーレス国連事務総長は、国連安全保障理事会への半年ごとの定期報告で、捜査官による報告書を引用し、「国連は、サウジアラビアの石油施設への攻撃に使用されたミサイルと無人偵察機がイランからのものであることを確認できない」と述べました。
アラムコの石油施設への攻撃に使用されたミサイルがイラン製であるという主張は、根拠のない虚偽の主張です。
アラムコを標的としたミサイルの発射場所に関する国連事務総長の報告の発表と時を同じくして、イランの武器制裁を延長するための米国の工作により、国連事務局は米国の求めによりその報告を準備しました。 国連事務局は米国の敵対的政策に追従していますが、トランプ米大統領は、国際的な機関や組織を全く重要視していません。
このような行動により、国連事務総長は安全保障理事会によって承認され可決された決議を支持することが期待されましたが、これまで、この決議が効果的に擁護されなかったばかりか、むしろ現在、 我々は、国連事務局へ米国から依頼された報告書を見たことで事務総長により国連の方針が大きく転換されたことを目撃しています。この点に関し、イラン外務省はこの報告書を否定し、声明の中で、国連事務局の二重かつ矛盾したアプローチに言及し、次のように表明しました。
「事務局はこれまで、安保理決議 2231を不自然に解釈することで、米国およびヨーロッパ諸国による核合意における多数の違反についての報告の発表を控えてきた。安保理決議2231に明らかに違反する核合意からのアメリカの離脱についてでさえ、 最終的に、寛容さと曖昧さで懐柔した。しかし、事務局は、安保理決議2231実施関連の手順によれば、事務局には全く権限のない事柄に首を突っ込み、いわゆる専門的な報告書なるものの作成に手を出している」。
サウジ政権は、イエメンを支配し、同国を崩壊させるという夢をもって戦力面で不平等な戦争に突入したというのが事実である。しかしながら現在、イエメン軍と抵抗者らの防戦に回っているだけという事実を受け入れず、彼らは逃げ道を求めています。
政治問題のアナリスト・ベヘザード・サーベリー氏は次のように記しています。
「……西アジアの病人は、自らがが引き起こした混乱、問題を他人のせいにすることはできない。 治療はまだ可能だが、それは患者が治療を受け入れた場合のみだ。 今すぐイエメンで戦争を終わらせよ」
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://urmedium.com/c/japaneseradio
https://twitter.com/parstodayj