視点;イスラム革命防衛隊軍事演習;安全保障を維持するためのイランの権威の誇示
(last modified Wed, 29 Jul 2020 14:36:34 GMT )
7月 29, 2020 23:36 Asia/Tokyo

イスラム革命防衛隊の大規模な合同演習の最終段階が28日火曜、イラン南部 ホルモズガーン州、ホルムズ海峡とペルシャ湾の西側海域で、この部隊の海軍と空軍が参加して開始されました。

イスラム革命防衛隊の「偉大なる預言者(14)」合同軍事演習の最終段階では、敵の位置へミサイル、船舶、および無人機を使った攻撃作戦、地雷敷設及び仮想敵船の通信ラインの遮断作戦、ヘリコプターからのミサイル発射や沿岸からの地対艦ミサイルを使ったミサイル戦闘作戦が実践されました。

この演習の特徴の1つは、初めて、人工衛星ヌールから送信された画像の使用による演習エリアの観察が実践されたことです。

衛星ヌールは、イラン初の軍事衛星として今年4月22日、イランイスラム革命防衛隊がイラン中部から3段式衛星打ち上げロケット「ガーセド」を使って打ち上げたもので、地上425キロメートルの地球周回軌道を回っています。

衛星能力の向上、これにより 革命防衛隊が有する各種の能力に、イランの軍事力を戦略部隊と同等のレベルに置くことになりました。イランの装備と武器の開発は、敵の脅威と強みと弱みを実際に認識することに合致しています。軍事衛星ヌールは、その卓越した能力により、地表やその周辺の現象から正確かつ最新の情報を収集し、地域のあらゆる種類の軍事活動を監視することができます。この衛星から送信された情報により、 ミサイルの飛行ルートと標的に命中する時間を割り出すことができます。また国境地帯での密輸業者やテロリストの出入り、目的とする国の経済活動や装備の状況、さらには国境関連条約の実施状況も監視することができます。

しかし、米国と一部のヨーロッパ諸国は、世論捜査や騒動を起こすことにより、この成果を過小評価し、国連安全保障理事会決議2231の違反と世界への脅威と見せるようとしました。もちろん、この反応は予期せぬものではありませんでした。 これらの能力は、戦争を防ぐためのイランの防衛政策の枠内であるため重要性を持っている。イランは、航空宇宙やその他の分野で、防衛力と軍事抑止力のリソースを持つことで、国際関係の均衡において変化をもたらすことに成功しました。イラン領空での米国の最新鋭の無人機の墜落はその1例です。米国は昨年6月、イランに対する挑発的な行動の中で、イラン領土にスパイ用無人機を送り込みました。しかしこの最先端の技術で作られた無人偵察機は、イスラム革命防衛隊の空軍により撃墜されました。

軍事アナリストで専門家であるジェレミー・ビニー氏は、軍事と軍需産業情報に関する週刊誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーの中で、イランの軍事力と防空力に言及し、「イラン人が何かに本当に投資する時には、それを重視し、まともに計算に入れる必要がある。我々は、このことを彼らの弾道ミサイルについては分かっていたが、見たところイランの防衛空システムにも同じことが当てはまる 」と述べています。

イランイスラム革命防衛隊のサラーミー総司令官は、「偉大なる預言者14」演習の最終段階の傍らで、「イランは、イラン国民の重要な利益維持において防衛政策を採っている。これが意味するところは、我々はいかなる国にも先制攻撃を行わないが、戦術と作戦においては完全に攻撃的である」と強調しました。

この観点から、「偉大なる預言者14」演習の最終段階が発するメッセージは、衛星技術を使用しての安全保障の維持及び、脅威や情勢不安への対抗という、イランの権威の誇示であると言えます。

 

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