視点
イランの衛星ロケット「スィーモルグ」の打ち上げ実験と国外メディアによる世論操作
イランが何かの功績を挙げるたびに世論操作や事実の歪曲に熱を上げるアメリカと一部のヨーロッパ諸国が、またもやイランの衛星ロケット・スィーモルグの打ち上げを口実とし、イランのミサイル計画を安全保障に対する脅威として吹聴しようとしています。
ハティーブザーデ・イラン外務省報道官は、この衛星ロケットの打ち上げ実験に関する欧米諸国の関係者の一部による世論操作に反応し、「航空宇宙の分野を含む科学および研究の進歩は、イラン国民の不可侵の権利であり、そのような干渉は、この分野での進歩に向けたイラン国民の決意には全く影響しない」と述べています。
また、「いずれの国際決議も、衛星打ち上げロケットの分野を含むイランの宇宙研究、およびその関連実験を禁止していない。このため、安保理決議2231を論拠とすることは根拠を欠いた誤りであり、事実に反するものである」としました。
言うまでもなく、国際基準に照らし、イランは自らの科学研究開発における平和目的での技術を活用する権利を持っています。
イランが宇宙分野での国内開発能力を手に入れ、衛星打ち上げロケット「サフィール」および「ガーセド」による小型衛星の打ち上げ能力を達成した後、イランの宇宙産業プログラムでより高度な能力を備えるランチャーが開発されていることは世界の脚光を浴びました。
この能力は完全に「科学的」な性質のもので、イラン国民が進歩と発展に値することを強調するものです。
航空宇宙分野におけるイランの科学・研究的な歩みは、イランのエンジニアおよび科学者の動機と能力が、西側諸国の声明や制裁によりその成長や発展を妨げられることなく、それ以上のものであることを示しています。
シャヒード・ベヘシュティ大学で教鞭をとるネエマト・ハサニー研究員は、これらの開発の重要性について、「宇宙技術は、最も重要な開発管理ツールの1つである」と語りました。
衛星打ち上げ技術の主な用途は、宇宙ステーションを通じて自然災害の監視を目的とした必要な情報の収集です。現在、これほど多くの制裁を受け、学術面で大きく制限されているにもかかわらず、同国の宇宙機関によって様々な下地が整えられたことから、イランは宇宙技術の完全なサイクルを達成しました。また、衛星の製造と打ち上げ、そして国家発展のための科学的研究と計画のためのデータ獲得により、今や国内での宇宙技術の活用が可能となっています。
衛星ロケット「スィーモルグ」は、高度500kmの軌道に最大250kgの衛星を打ち上げることができます。
イランは、衛星を打ち上げ、世界でロケットと衛星技術を備えた国の仲間入りにより、航空宇宙科学における世界の上位国の1つであることを示しました。衛星打ち上げ基地の建設には高度な技術が必要であり、現在この技術を有しているのは世界で10か国にもなりません。
ここ数年、敵は妨害行為や制裁措置を通じて、これらの高度な技術にイランをアクセスさせまいと工作してきました。しかし、イランの当局やエンジニア、科学者らは、核および産業面でのイラン国民の権利の擁護によって、数々の陰謀を粉砕しています。スィーモルグによる衛星の打ち上げ成功は、イラン国内の学術活動が停止されなかっただけでなく、より多くの成功を収め加速し続けていることを再び示した形となりました。
ハティーブザーデ報道官も述べているように、イランはこの方向で自らの見解を強要しようとする一部の国に左右されることなく、また外国の世論操作や虚言により同国の科学的発展の急速な動きが止まることはないのです。