ソレイマーニー司令官テロ暗殺罪に対する米政府の国際的な責任
(last modified Sun, 02 Jan 2022 06:53:01 GMT )
1月 02, 2022 15:53 Asia/Tokyo
  • ソレイマーニー司令官の像
    ソレイマーニー司令官の像

イラン外務省が、同国IRGCイスラム革命防衛隊ゴッズ部隊の故ソレイマーニー司令官および、その同行者らが米軍のテロ攻撃により殉教して丸2年となる記念日を前に、「アメリカ政府にはこの犯罪に対する国際的に厳正な責任がある」と表明しました。

イラン外務省の声明には、「殉教者たる故ソレイマーニー司令官は、地域・国際レベルでの平和と安定の確立において常に役割を果たしており、地域で勢力を伸ばしつつあったテロ集団や国際テロとの戦いにおいて多大なる尽力を行った」とされています。

同省はまた、「ソレイマーニー司令官を殉教に至らしめたという米国の犯罪行為は、間違いなく当時の米国政府によって組織的に計画、実施されたテロ攻撃の典型例であり、今なおその責任はホワイトハウスにある」と表明しました。

2020年1月3日金曜朝、イラク首都バグダッド空港付近にて行われた米軍のテロ攻撃で、ソレイマーニー司令官は殉教しました。さらにこのテロ攻撃では、同司令官に加えて、イラク民兵組織ハシャドアルシャビの故アブーマハディ・アルムハンディス副司令官、および他複数名のイラクの戦士らも殉教しています。このテロ攻撃は、当時のアメリカ大統領だったドナルド・トランプ氏の直接的な命令により実施されました。

故ガーセム・ソレイマーニー司令官は、1979年のイスラム革命潮流の最も人気ある人物の1人であり、世界的な覇権主義体制や圧制への対抗の象徴として知られています。彼は2001年、イスラム革命最高指導者たるハーメネイー師により、IRGCゴッズ部隊の司令官に任命されました。

IRGCゴッズ部隊の司令官として在任中のソレイマーニー司令官の最高の業績は、西アジア地域におけるシオニスト政権イスラエル及び米国が育てたテロリストとの戦いでした。イラクとシリアでのテロ組織ISISの犯罪、そしてテロリストによるこれらの国の一部の占領に続いて、この両国の合法政権はイランに対し、対テロ戦争での支援・助力を依頼してきました。こうした要求を受け、ソレイマーニー司令官の指揮下にある抵抗勢力の戦士らは、イスラム教徒やキリスト教徒を含むイラクとシリアの人々の救援に急ぎ、最終的にテロリストを粉砕するに至っています。

故ソレイマーニー司令官は、米国の陰謀の阻止・粉砕に卓越した役割を果たしていたことから、常に米国当局者とシオニストによる暗殺の脅威にさらされていました。アメリカのジャック・キーン(Jack Keane)退役陸軍大将は、同国議会の公聴会において、イラン当局者、特にIRGC幹部暗殺計画について言及し、我々は彼らをどうして殲滅せずにおくものか、と発言しています。

バグダッド空港付近でソレイマーニー司令官の乗った車両を米国がテロ攻撃したことは、イラン軍からの迅速かつ効果的な報復と、イラクのアルアサド基地に駐留する米軍へのミサイル攻撃とともに、新たな展開を誘発し、米国の地域戦略の失敗の始まりを早めることとなりました。ソレイマーニー司令官の殉教後に起こった変化には、アフガニスタン、そしてイラクからのアメリカ軍の撤退、さらには西アジアにおける米軍の駐留戦略の変更が挙げられます。

言うまでもなく、アメリカ政府は国際法に照らし、この犯罪への責任があります。そのためイラン外務省は、司法府を含む他の機関と協力して、「犯罪者の免責への対抗」という法原則に従い、米国当局に公正な場での説明責任を負わせる一連の措置を開始しており、最終結果が得られるまでこれを継続する意向です。

 


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