視点
敵の謀略への断固たる抵抗を強調するイラン海軍司令官
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イラン海軍のシャフラーム・イーラーニー司令官
イラン海軍のシャフラーム・イーラーニー司令官が18日金曜、遠洋・公海海域での任務開始に向けた同軍第81艦隊の壮行式典において、「わが国は決して敵の謀略をいささかも許さず、これを決定的に粉砕するだろう」と語りました。
イーラーニー司令官は、「世界の大国の勢力図そして、それらの変更のためになされている工作の方法、そこに関与する全ての関係勢力を鑑みるに、敵はこの勢力図にイランが華々しく名を連ねることを快く思わず、勢力拡大というルートを通じてこの状況をかく乱しようと全力を挙げている」と述べています。
イラン海軍司令官が敵の謀略や陰謀への断固たる対抗を強調しているのは、特にアメリカをはじめとしたイランの敵が常に敵対行為や疑惑を提示していることを考慮したものです。
これに関して最近あった発言として、西アジアへの駐留により地域の不安定化の原因となっているUSCEMTCOM・アメリカ中央軍のケネス・マッケンジー司令官は、イランのミサイル能力に関する西側の懸念に端を発する使い古された声明で、イランが地域の安全保障を脅かしているとまたしても非難しました。
同司令官は18日金曜、アメリカによるイラン恐怖症政策に基づき、これまでに繰り返されてきた表明の中で、イランが地域の安全・安定にとっての最大の脅威だと主張しています。
また、アメリカ国防省内でのある会合では、イランが地域諸国の政権の弱体化を狙って武器を確保しているとして、同国に矛先を向けました。
同司令官はさらに、来月1日付けで中央軍司令官を退任するのを前に、イランの弾道ミサイルの脅威が続いていると主張しています。
また、アメリカが特にシオニスト政権イスラエルなど、自らの同盟政権との対空防衛分野での協力を拡大したことに触れ、「対空防衛は、協力に向けた絶好の機会だ」とし、「この分野における最初の足がかりは、対イランミサイル防衛システムの改良に向けた情報の共有にある」とし、「この分野に関する協力は、今後数年間のうちに進歩するだろう」と語っています。
マッケンジー司令官による18日の敵対的な表明は、増大するイランという地域大国に対するアメリカの受動的な対応である一方、イランの抑止力、特に巨大なミサイル兵器に対するアメリカの恐怖心の表れとみなすことができます。
しかし、イーラーニー海軍司令官が明確に述べているように、イランがその地域および地域外の敵の謀略を決して許さず、これに厳しく対処することは間違いありません。実際に、アメリカは戦略無人爆撃機・グローバルホークの撃墜、アメリカ艦船の頻繁な追放、およびこの点に関する重大警告をはじめとした、領空や領海への全ての違法な侵犯行為に対するイランの断固たる態度をまざまざと見せ付けられています。
さらに、オバマ元政権末期に当たる2016年1月12日にペルシャ湾周辺のイラン領海に侵入した米海兵隊の捕虜、屈辱まみれの彼らの反応、そして彼らの釈放を求める米国政府の再三の要求は、イランの威信が相当のものであり、アメリカ側がそれらの米兵の解放目的であれ軍事行動に出る勇気がなかったことを示しました。
イランの大学教授、アブドラスール・ディーヴサーラール氏はこれに関して、「イランの防衛力と米軍内部の制約の組み合わせにより、米国の決定的な勝利達成は阻止された。イランの防衛方針は戦争を防ぐのに効果がある」と語っています。
同時にここで留意すべき点は、イランが常に自衛のための抑止の原則を強調しており、地域の国々を脅かそうとしたことはなく、米国の無人機グローバルホークの撃墜などはあくまでも米国の侵略・侵犯に対抗したに過ぎないということです。
イラン・イスラム革命防衛隊や国軍を含むイランの武装軍は、外国勢力に対しイランへの侵入を許しません。イランは、ペルシャ湾での軍事紛争だけでなく、挑発行為の結果についてアメリカに繰り返し警告してきました。
今や世界は、米国がイランに対し敵対的な態度をとっているのは、イランがアメリカの過剰で干渉的な要求に抵抗していることが理由であることを熟知しています。同時に、アメリカとこれに同盟する諸国の地域政策はこれまでのところ、シリアやイエメンでのものを含め、公然とした失敗・挫折に瀕しているのです。