イラン外相、「アメリカの現実直視で核合意復活を期待」
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、「アメリカ側が現実を直視することで、近い将来、ウィーン協議が妥結することを期待する」と述べました。
国際通信イランプレスによりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相は23日木曜、テヘランを訪問しているラブロフ露外相との共同記者会見で、「両国間の長期包括的協力協定について会談した」と述べ、米側の現実直視により、対イラン制裁解除をめざすオーストリア・ウィーン協議が妥結することに希望を表明しました。
その上で、「シオニスト政権イスラエルが地域の安全・安定を脅かすことは許さない」と述べました。
また、アメリカが新たに行使した対イラン制裁に触れ、「イラン政府の優先事項は、経済、貿易、学術、文化、防衛、観光、その他の分野の協力発展において近隣諸国、特にロシアとの関係を重視することだ」と述べました。
そして、西側による制裁に対抗し、ウクライナ戦争の影響や食料安全保障において生じた新たな世界的課題に対処するためのイランとロシアの共同計画について語り、「我々は戦争に反対しているように、ロシアをはじめとする各国への違法な制裁にも反対だ」と述べました。
一方、ラブロフ露外相も、イランとロシアがともに関係発展の意志を有しているとし、両国の昨年の貿易額が80%増加し、40億ドルに達したと述べました。
その上で、「アメリカやその同盟国が、国際原則や国連憲章、各国の主権平等を変更することを許してはならない」としました。
また、「ロシアとイランは、アメリカによる国連憲章に違反した一方的な制裁を非難する」とし、「アメリカは核合意から離脱した際、またしても国際法に違反した。核合意が2015年の成立時点の形で、いかなる追加もなく復活するようにしなければならない」と述べました。
そして、「もしアメリカが本当に望むなら、核合意を復活させるべきだ。我々が優先するのは、対立するような計画を立てないことだ」としました。