長崎原爆の日に、市長が核抑止論への依存を批判
長崎原爆の日から被爆から78年となる9日水曜、長崎市の平和公園で記念式典が実施されました。
日本の報道各社によりますと、平和祈念式典の会場に予定されていた長崎市の平和公園では、台風6号の接近で開催場所は屋内に変更された一方で、朝早くから人々が祈りをささげました。
日本時間午前10時45分から始まった平和祈念式典では、この1年に亡くなった被爆者など3314人の名前が書き加えられた19万5607人の原爆死没者名簿が納められたほか、原爆がさく裂した午前11時2分に黙とうをささげ犠牲者を追悼しました。
平和宣言で長崎市の鈴木市長は、去る5月のG7広島サミットで発表された広島ビジョンに触れるとともに核抑止論への依存を批判しました。
そして、「この広島ビジョンは核兵器を持つことで自国の安全を守るという『核抑止』を前提としています。核抑止に依存していては核兵器のない世界を実現することはできません」と語っています。
「広島ビジョン」については、核抑止を前提とした考えだとして長崎の被爆者からも批判の声があがっています。
なお、アラブニュースによりますと、これに先立ち、今月6日の広島の原爆の日には、日本のナショナリストたちが東京の米国大使館前に集まり謝罪を求めるとともに、米国に対して戦争や大量虐殺、また世界を第3次世界大戦に向かわせているとして非難しました。
原爆投下から78年、被爆者の平均年齢が今年初めて85才を超えたなか、被爆地長崎は例年とは違う祈りの日を迎えています。
なお、60年ぶりの屋内開催となった平和祈念式典は規模も大幅に縮小され、参列予定だった岸田首相は、ビデオメッセージでの参加となりました。