日本、ユネスコ分担金の支払いを保留
(last modified Sat, 15 Oct 2016 08:56:03 GMT )
10月 15, 2016 17:56 Asia/Tokyo
  • 日本、ユネスコ分担金の支払いを保留

日本の岸田外務大臣が、日本が今年、ユネスコの分担金を支払っていないことを明らかにしました。

フランス通信が東京から伝えたところによりますと、1年前、ユネスコは、中国が申請した1937年の南京事件に関する資料を記憶遺産に登録しました。日本はこれに対して、ユネスコへの分担金の支払いを保留にすることを決定しました。

ユネスコに分担金38億円を支払っていた日本は、政治的な決定を下し、中立性を守っていないとしてユネスコを非難しました。

岸田大臣はこれにもかかわらず、分担金支払いの保留とユネスコの決定との直接的なつながりを否定しました。

南京事件の資料は2015年、ユネスコの記憶遺産に登録されました。

日本は、「登録は中国の一方的な表明に基づいて行われたもので、日本はこの資料は完全なものではなく、その信憑性については疑いが存在すると考えている」と抗議しました。

また日本は、「中立と公正な立場で行動すべき国際機関がこうした資料を登録したことは非常に遺憾だ。日本政府はこれについて繰り返し抗議を行ってきた」と語りました。

これに対して中国はユネスコが正しい立場をとっていると評価しました。

南京事件など、旧日本軍がアジアで行った殺害は、日中の緊張の原因となっています。

日本の公式見解は、「多くの民間人が殺害され、労働させられ、略奪が行われたが、その犠牲者の正確な数を特定することは困難だ」というものです。

中国は旧日本軍が南京に侵略してから6週間で殺害された人の数は30万人に上るとしていますが、海外の大学の専門家によれば、この数はもっと少ないということです。