韓国政府、日本の輸出規制強化を受け貿易安保の専門組織を新設
韓国の産業通商資源部と行政安全部は28日火曜、貿易の安全保障関連の業務を専門とする貿易安保政策官の新設を骨子とした「産業通商資源部とその所属機関の職制一部改正令案」を閣議決定し、来月6日から施行することを明らかにしました。
韓国・ヨンハプ通信によりますと、今回の措置は昨年7月に日本が半導体・ディスプレー材料などの対韓輸出規制を強化したことによるものだということです。
産業通商資源部の貿易投資室内には、30人規模の正規組織として貿易安保政策官が置かれ、貿易安保政策課、貿易安保審査課、技術安保課が下部組織として新設されます。
貿易安保政策課は、政府の貿易安保政策の司令塔として政策を総括・策定し、日本の対韓輸出規制に類似した対外的な懸案のほか、対内的な懸案についても対応する業務を担当し、そうした業務には違法な輸出の取り締まりや、戦略物資を輸出する企業の支援などが挙げられます。
また、戦略物資の輸出許可を含む経由、船積み許可などを専門に担当し、懸念される取引については厳重な審査を実施します。
技術安保課は、国の重要技術の管理や技術の輸出承認業務に加え、技術流出を防ぐための基幹技術保有企業のM&A(合併・買収)、安保関連企業に対する外国人投資の審査など技術保護業務を担当することになります。
今回の貿易安保の専門組織の新設には、日本が対韓輸出規制を強化した理由の一つとして韓国の輸出管理体制、人員の脆弱(ぜいじゃく)性を挙げたことが影響しています。
韓国政府は、他国と比べて遜色ないと判断した一方で、日本との対話をより円滑に進めるために改善策を出すことを決めました。
先月10日にテレビ会議で行われた、輸出管理を巡る韓日の政策対話で、日本側は韓国の制度改善を肯定的に評価したとされています。
また、日本の対韓輸出規制のような貿易安保に関する懸案が発生した際に、効率的かつ速やかに対応するための組織の一元化、および専門性強化の必要から、組織改編が実施されています。
韓国の成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官は、「貿易安保を担当する専門の組織と人材の拡充は、わが国の貿易安保機能と専門性のさらなる強化につながるだろう」と強調しました。
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