広島の原爆資料館が再び休館へ、まん延防止等重点措置の適用で
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広島の原爆資料館
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「まん延防止等重点措置」の適用を受けて、広島の原爆資料館が再び臨時休館となりました。
NHKによりますと、広島市はコロナ感染拡大に伴う「まん延防止等重点措置」が適用されたことを受けて、市が管理する280余りの施設を今月9日から順次、休館していますが、今月13日木曜から31日までの間、原爆資料館も臨時休館としました。
休館は感染のいわゆる「第5波」にあたる去年9月末までの期間以来で、13日は施設の入り口に休館を知らせる紙が貼り出されました。
但し、広島原爆資料館が実施している、被爆者が自身の体験を証言する「被爆体験講話」について、予約を受けていたものについては休館中も行うとしていますが、感染拡大を受けて、今月は16件のうち13件が取りやめや延期になったということです。
14歳で被爆し、修学旅行生などに証言を続けている梶本淑子さん(90)は、みずからの被爆体験を証言し、平和への思いを伝える機会が少しずつ戻ってきたやさきだったということで、「残念で悲しいとしかいいようがないです。この年になると、いま来てくれる生徒たちに話しておかなきゃという思いなのに、それが砕かれたようです。コロナが落ち着くまで生きさせてください、もうちょっと証言させてくださいという思いがあります。早く収まってほしいです」と語りました。
原爆資料館の豆谷利宏副館長は「去年秋から修学旅行生を中心に来館者が戻ってきていた中での臨時休館なので残念です。閉館中に展示資料や展示機器の点検をしっかり行い、再開に備えたい」とコメントしています。
原爆資料館では去年10月に再開して以降、来館者が3か月連続で前の年の同じ月を上回り、特に去年12月の来館者はおよそ7万7500人と、感染拡大前のおととし12月の8割ほどまで回復していました。
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