日本政府がロシア追加制裁で38品目の輸入禁止へ、経済や国民生活への影響も
(last modified Tue, 12 Apr 2022 11:19:30 GMT )
4月 12, 2022 20:19 Asia/Tokyo
  • 日本とロシアの国旗
    日本とロシアの国旗

ウクライナ情勢をめぐり、日本政府がロシアに対する追加制裁として、木材など38品目の同国からの輸入を禁止する一方で、すでに経済や国民生活への影響も生じています。

日本の報道各社が12日火曜、報じたところによりますと、ウクライナ情勢をめぐり、政府は、ロシアに対する追加の制裁措置として、木材など合わせて38品目のロシアからの輸入を4月19日から禁止することを決めました。

ロシアからのモノの輸入を禁止するのは初めてです。

具体的には、丸太やチップ、それに原木を切って削った単板などの木材のほか、自動車やオートバイとそれらの部品、金属加工機械、ポンプといった、機械類・電気機械が対象となります。

ロシアから日本への輸入総額は、天然ガスや石油などエネルギー資源を含め、去年は1兆5000億円ほどで、このうち今回、輸入禁止となる品目が占める割合は、全体の1.1%だということです。

今回の追加制裁では、外国為替法に基づき、ロシアの法人に対し新たに10%以上の株式を取得することや、設備投資などを想定して新たに1年を超える期間の貸し付けを行うことなどを、国による許可制とすることでロシアへの投資を禁止します。

日本政府はすでに今月9日、政府は、ロシアへの追加の制裁措置として石炭の輸入を段階的に削減し最終的に禁止することを決めました。

政府がロシアへの追加の制裁措置を決めたことについて、経済同友会の櫻田代表幹事は12日の定例会見で「価値観を共有するG7主要7か国が一体となった制裁なので、足並みをそろえるのは当然だと思っている」と述べました。

そのうえで、日本企業のロシアにおける今後の事業の在り方については「経済と安全保障は表裏一体だ。今のウクライナ情勢は数年にわたって続くかもしれず、不確実性が高まっているのは認めざるをえない。今の考え方はロシアへの依存度を下げていきながら、時間をかけて代わりのマーケットを探していかないといけない」として、段階的に縮小させるべきとの認識を示しました。

対ロシア制裁に関して、政府としては、国際社会との結束を優先した形ですが、国内への影響を抑えるためロシア産石炭に代わるエネルギーをどう確保していくかが課題となる見通しです。

また、対ロシア制裁により航空機がロシア上空を飛べなくなったことから、物流コストが上昇したほか、ロシアが大輸出国である原油や天然ガスなどの資源、小麦などの穀物の値段も急騰するなど、国民生活への影響も出始めています。

さらに、政府のこうした動きへの反対意見もあり、日本維新の会の鈴木宗男参院議員は、「日本には国益の問題として北方領土や平和条約交渉の問題がある。米英と立ち位置が違う」と述べ、欧米に足並みをそろえて制裁に踏み切った日本政府の対応に疑問を呈し、記者団に「日本からパイプを閉ざした感じだ」と語りました。

 


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