ホメイニー師の思想を振り返る
人間は愛から生まれた生き物
神と人間をつなぐものは、神が人間の内面に宿した愛です。なぜなら神は人間が神と対話することを好み、そのために人間を創り出したからです。
どんな存在にも終わりがあります。しかし、ホメイニー師の見方では人間の終わりは他とは異なります。ホメイニー師によれば、行動と考えは別のものではありません。人間はどこからやって来て、どこへ向かうのか。そしてどのように向かうべきなのか。これを理解することが、人間を他の存在と区別します。
人間は、神のあらゆる名や完全性が表れうる存在で、自分の自由意志で精神的成長を遂げることができます。ホメイニー師はこれについて、「自分の精神的成長に気付いてもそれがエゴにつながるような者は、精神的成長において堕落することになる。なぜなら自己を克服できていないからだ」と述べています。
そして、「神の愛に気付いている者は、神だけを見ている。それにより、彼が他者に向ける愛も神が彼に向ける愛と同じようになる。他者から見返りを求めず、他者を踏み台にすることもない。あらゆる存在を愛するようになる」としています。
ホメイニー師によれば、愛は人間を完全性に導くものだとされています。それは人間が神の光に照らされ、その愛に触れるということです。そして愛なき理性でも、理性なき愛でもその完全性に至ることはできません。
ホメイニー師は「人間は愛から生まれた生き物であり、本質的に神を求め、神を愛する存在だ。その愛が開花する時、人間は神の方へと向かい始める」と語っています。
※上記の内容はファーテメ・タバータバーイー氏(イラン・イスラーム神秘主義学会設立者、イマーム・ホメイニー研究所神秘主義部長)の講演からのは抜粋です。