真実は残り、虚偽は滅ぶ コーランの教え
(last modified Tue, 26 Mar 2024 10:27:08 GMT )
3月 26, 2024 19:27 Asia/Tokyo
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    真実は残り、虚偽は滅ぶ コーランの教え

神が遣わした預言者たちは様々な困難を抱えていましたが、全体で見れば、人間をより高みに導くうえで大きな役割を果たしました。

コーランのアル・イスラー(夜の旅)章第81節は、次のように語っています。

「真実が下され、虚偽は消え去った。本当に虚偽は滅びる定めにある」

 

ここでは、この節が意味するところを詳しく見ていきましょう。

真実が残り、虚偽が消え去るというのは神の流儀であり、預言者たちが歩んだ道もこの真実を示すものでした。虚偽とは最初から破綻しているもの、現実世界では成立しないもののことを指します。反対に、神や預言者に従って生きる者は、まさに「真実」そのものであり、成功を手にします。

コップに水を注いでみましょう。泡は水面に上ってきますが、そこに留まることはなく、いずれはじけて消えていきます。しかし、水は残ります。水はあらゆる生命を潤すものです。

コーランにおける「真実」とは、まさにこの水のようなものです。真実とは得てして水のように自ら主張することはありません。それに対して虚偽は泡と同じく、中身はないのに上にだけは行こうとします。そして、いずれ消えるのです。

そして私たちも虚偽のような存在になってしまえば、消え行く運命にあります。それは虚偽としての人間が消えるだけでなく、その思考や行動も消えるという意味です。もしそれが嫌であれば、真実である必要があります。

歴史上に登場した幾多の預言者たちは、その人生において身を粉にして努力し、神の道においてその生涯を終えました。しかし、今でも神や預言者の教えを信じない者は大勢おり、世の中には圧政がはびこっています。では、預言者たちの行いは無駄だったのでしょうか? 決してそうではありません。

ここでは2つの論点があります。1つは、アダムからムハンマドに至るまでの預言者「全体」がどのような行動を起こしたのか、成功したのか敗北したのかということ。もう1つは、その預言者たちひとりひとりを見たときに、成功したのか敗北したのかということです。

1つ目の論点について言えることは、預言者たちは様々な困難を抱えていたものの、全体で見れば、人間をより高みに導くうえで大きな役割を果たしたということです。人間が人間としての目的地に至るために背中を押し、動かしてきたのは他でもないこの預言者たちです。

2つ目に関しては、十分な信仰と忍耐を有していた預言者は成功し、そうでない預言者は成功しなかったということです。

この内容は、イラン・イスラム革命最高指導者ハーメネイー師の著書『コーランにおけるイスラム思想の概要』からの抜粋です。

 


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