イエメン人権相、「英米は戦争犯罪者の裁判を妨害」
イエメンの人権相が、アメリカとイギリスは国際刑事裁判所でイエメン戦争の犯罪者の起訴を妨げているとしました。
イエメンのアルダイラミー人権相は、演説において、「国際社会や国連安全保障理事会は、イエメンの人権問題に関して妨害を行い、侵略者・サウジアラビア主導アラブ連合による犯罪が露呈しないようにしている」と強調しました。
アラブ連合参加諸国のイエメンでの犯罪をめぐる法的追及については、170以上のアラブ機関および国際機関が声明によってこれを要求しています。
一方、これに先立ってイエメンの女性・子どもの権利の分野で活動している人権団体「INTISAF」も、アメリカとサウジを筆頭としたアラブ連合の犯罪に関する新しい報告を発表しました。それによれば、イエメンでは8000人以上の子どもたちがこの戦争のさなかで犠牲となっているということです。
サウジアラビア、アメリカ、アラブ首長国連邦、および他のいくつかの国から成るアラブ連合は、2015年3月よりイエメンへの軍事侵攻を開始し、同国を完全に封鎖しました。
アラブ連合軍は、イエメンから数百万バレルの石油を盗み出しているだけでなく、同国へ燃料を運ぶ船舶の拿捕や入港妨害により、戦争で荒廃したこのアラブ圏最貧国に、石油製品、燃料、医薬品などの不足の危機を引き起こしています。
イエメン国民は、アラブ連合軍が勃発させた戦争により、世界最悪規模の人道危機に見舞われています。
国連によれば、イエメン総人口3000万人の約4分の3にあたる2300万人以上、うち子供1200万人以上が8年目になろうとするイエメン戦争により人道支援を必要としています。
さらに同国では、200万人以上の子どもたちが栄養失調となっています。また、900万人の子どもを含む1700万人以上が、上水道、衛生、医療などが行き届いていないことにより苦しんでいます。