米誌、「米の対サウジ政策は失敗」
米誌ナショナル・インタレストが、イランとサウジアラビアの関係が最近近づいていることに言及し、「サウジに対する米政府の政策は失敗した」としました。
ナショナル・インタレスト誌は、「米国の失敗した対サウジ政策」と題する分析記事において、安全保障と引き換えに石油を得るという原則に基づいたアメリカの対サウジ政策が失敗したとしました。
続けて、1990年の湾岸戦争開始時より、アメリカはこの原則の実現のためにサウジアラビアに目を向けてきたとし、サウジ側も、基地の受け入れや交友、手頃な価格での石油の供給と引き換えにアメリカの保護や武器供与を受けていたと説明しました。サウジではこれが一般に「安全保障のための石油」と呼ばれているということです。
同誌はまた、アメリカとサウジの関係がこれまでの約25年間、安定し緊密なものだったとしました。
しかし、アメリカにはこの地域への介入終了により進出用の基地がもはや必要でなくなり、サウジとの協力を保つ唯一の理由はサウジアラビアの膨大な石油埋蔵量とOPECでのリーダーシップとなる一方、サウジの取る石油政策はアメリカの国益とは相反するものだと指摘しました。
世界最大の産油国サウジアラビアは、先月3日のOPEC閣僚会合の前に、「自発的に自国の産油量を5月から削減し、今年末まで継続される」と発表する予想外の行動に出ました。
また、サウジ、イラク、アラブ首長国連邦、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン、ロシアといったOPECプラス構成国は、市場や石油価格の安定に向けて減産を決定しました。
アメリカの政治専門メディア・ポリティコも、先日の論説において、「ロシアを孤立に追い込むためのアメリカの工作は、ロシア主導の強力な対米連合の形成につながっており、現在、中国、ロシア、インド、サウジアラビアは以前にも増して力をつけ、共にアメリカを敗北に追い込むことが可能だ」としています。