シリア大統領が12年ぶりにサウジを訪問
シリアのアサド大統領が、12年前に同国での戦争が始まってから初めてサウジアラビアを訪問し、アラブ連盟首脳会議に出席しました。
アサド大統領は今回、サウジのサルマン・ビン・アブドゥルアズィズ国王の招待により、同国を訪問しました。
アサド大統領が最後にアラブ連盟の会議に出席したのは2010年となります。しかしその後、シリア内戦が勃発したことを受けて、同国のアラブ連盟加盟資格は2011年11月から停止されました。そのためシリアはこの12年間、サウジアラビア、UAE、カタールを中心とした一部のアラブ連盟加盟国がアサド大統領率いるダマスカス政権に反対するとして、同政権に敵対する者たちやテロ集団に全面的な支援を行っていたことから、アラブ連盟の一角であるにもかかわらず関連会議への参加が許されませんでした。
アサド大統領は、イラン、レバノンのシーア派組織・ヒズボッラー、ロシアの協力を得てテロリストを打ち倒し、自国の領土保全および政体を維持させました。シリアのアサド政権打倒が不可能であるという事実を悟ったアラブ諸国は、次第に同政権との関係回復に向けて動き出しました。
米誌ニューズウィークは、同誌のインタビューを受けたアメリカの外交官たちが「シリアのアラブ連盟復帰は米国にとって重要なメッセージである。それは、シリアを対象とした軍事駐留の終了と制裁というものだ」と認めたと伝えました。
一方、ヘブライ語情報筋も、アサド大統領がサウジのムハンマド皇太子と握手している写真を掲載しながら、「現在起きている出来事は、シリアおよび同国のゆるぎない指導者にとって、大きな勝利である」と報じ、その上で、「より正確に言うなら、アラブ連盟がシリアに戻ったのであって、その逆ではない」としています。