視点
イスラエルのガザ住民強制移住計画に断固反対するアラブ諸国
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イスラエルのガザ住民強制移住計画
アラブ諸国が、パレスチナ・ガザ地区の北部住民を強制的に移住させようとするシオニスト政権イスラエルの計画に、断固たる反対を表明しました。
パレスチナ抵抗勢力の対シオニスト作戦「アクサーの嵐」により大きな屈辱を受けた上、情報・軍事面での信頼が失墜したイスラエルは、ガザに対する全面攻撃に着手しました。そしてその新たな決定の一環として、ガザ北部に住むパレスチナ人に対し、住居を捨てて同地域南部に行くよう求め、そのために24時間という短い期限を切りました。
シオニスト政権はこの要求の主な理由を、「パレスチナ抵抗勢力・カッサム旅団の要員は、ガザ地区の地下トンネルおよび民間人のいる住宅やその地下室に隠れている。そのため民間人は、イスラエル軍の攻撃により死傷しないよう、同地区の北部から立ち退くべきだ」と主張しています。
一部の情報筋は、アンソニー・ブリンケン米国務長官の話として、イスラエルが「ガザの徹底的な破壊」を目論んでおり、まずガザ北部から120万人のパレスチナ人をエジプトに移し、その後サウジアラビア、ヨルダン、カタール、UAEアラブ首長国連邦といった国々に分散させる計画を示した、と報じました。
このような中、イスラエルは15日日曜から地上戦を開始するといわれています。英ロンドンに拠点を置き西アジアでの出来事を主に報じるニュースサイト「ミドルイースト・アイ」はこれに関連して、「イスラエルの諜報機関では、イスラエルがハマスに捕らえられた自軍兵士をすでに死亡したと見なすつもりだという話が聞かれる」と報じています。
ハマスは、このようなシオニスト政権の計画を心理戦だとしていますが、イスラエル占領政権は全面的空爆によって新たな虐殺を行っており、今回立ち退き期限を切ることで、自身の行動を戦争犯罪でないように見せようと画策しているように見受けられます。
これまでのところ、すべてのアラブ諸国はガザ北部の全住民の立ち退きというイスラエルの計画に反対しています。
サウジアラビアは公式声明の中で、ガザ住民の強制移住に反対し非難しました。クウェートのサバーハ外相も、イスラエルによるガザ住民強制避難要求に強く反対すると表明しました。エジプトもこの計画に反対するとともにラファにあるパレスチナとの境界線をコンクリート壁で封鎖しました。ヨルダン政府もこの計画は戦争犯罪だとして反対しています。
また、国連もイスラエルのこの計画に正式に反対しているほか、一部の国際人権団体も、この行為が戦争犯罪にあたるという見方を示しています。
ガザ北部の人々の強制移住というこの計画は、パレスチナの地理的領域をさらに縮小すると同時に、アラブ諸国にとっても、数十万ものパレスチナ人避難民の自国流入という重大な結果をもたらすものです。パレスチナ人だけでなくアラブ諸国のアラブ・イスラムというアイデンティティを脅かすこのような計画を、イスラエル側が各方面の反対を押して強行すれば、イスラエルとアラブ諸国との関係も、深刻な脅威にさらされるのは自明のことでしょう。


