紅海で米がイエメン軍を攻撃
イエメンのシーア派組織アンサーロッラーの報道官が、紅海にて同国軍が米の攻撃を受けたことに触れ、「このような理不尽な行動は紅海での戦火を煽ることになるだろう」として警告しました。
ファールス通信によりますと、アンサーロッラーのアブドルサラーム報道官は「アメリカの駆逐艦1隻が、紅海でイエメン軍が偵察作戦中に、気違いじみた行動に走り同軍に対し発砲した」と語りました。
イエメン政府は去る10月27日より、シオニスト政権イスラエルとの直接対決に突入しました。この衝突は、占領地イスラエルの最も安全な地域とされる南端部を狙った攻撃、そして紅海を通じてのイスラエル経済の大動脈の遮断という2つの方法で実施中です。
レバノンのアルマヤーディン・テレビはアブドルサラーム報道官の話として、「米駆逐艦が発射したミサイルのうちの1発が、中部アフリカ西部ガボンの所有する船舶の付近で爆発した」と報じました。
またアメリカに対し、「米とその同盟国が現在のような理不尽な行動を続けるなら、紅海も戦火が燃え盛ることになるだろう」として警告しています。
もっとも、イエメンへの攻撃により米政府責任者らの間でも懸念が浮上しています。特にイエメン側は、直接攻撃の全てに対し致命的な報復に出ると強調しています。
アメリカの新聞ニューヨークタイムズによりますと、バイデン米現政権はイエメン軍の拠点を狙った攻撃に関して一連の懸念材料を抱えており、「まだその時ではない」として決断しかねている状態です。
バイデン政権内の複数の情報筋によりますと、米国のこうした懸念材料の1つは、2022年より発効中のサウジアラビアとアンサーロッラー の間の停戦協定の失効だとされています。
ニューヨークタイムズ紙によれば、もう1つの理由として、ガザ戦争の大規模紛争への発展に関する米国の懸念が指摘されています。その理由は、アンサーロッラー(フーシ派)をターゲットにすれば、米海軍艦艇とアンサーロッラーの間で急速に紛争へと発展し、イランをもこれまで以上に紛争に引きずり込む可能性があることだとされています。