なぜイスラエル市民はギリシャに殺到するのか?
イスラエル紙ハアレツの経済版「ザ・マーケット」は、昨年10月のハマスによる攻撃「アクサーの嵐作戦」以降、ギリシャに逃亡するイスラエル市民が急増していると報じました。
それによると、ギリシャには現在、数千のイスラエル人世帯が一時滞在先あるいは永住先として押し寄せており、住宅価格が高騰しているということです。
ギリシャで不動産業を営む65歳の男性は、ザ・マーケットの取材に、
「イスラエル人移民の大半はアテネに向かうが、一部は地方にもいる。アテネ北部には、ユダヤ人向けの幼稚園や学校を開設した移民たちもいる」
と語りました。
記事によると、多くのイスラエル移民はギリシャから戻る意志はないといいます。
アテネでSNS企業の幹部を務めるあるイスラエル移民の男性は、
「私がここに来た時は、イスラエル移民はたった50人だった。しかし、昨年に戦争が始まってから、その数は5000人を超えた。(ギリシャ在住のイスラエル移民でつくる)WhatsAppのグループには1500人から2000人がいる。その家族を含めれば、数はさらに多くなる」
と語りました。
この男性によると、ギリシャのイスラエル移民には、父親がガザ戦争に従軍し、残った母親と子供たちだけでやって来たケースが数多く存在するといいます。
ザ・マーケットの記者は、イスラエル移民が多く住む地区を訪れた際、地元でカフェを経営するアテネ市民の男性にイスラエル人に対する感想を聞いたところ、「君たちイスラエル人は自分の国に帰るべきだ。あるいは、別の国に移住して不動産を買うべきだ」と言われたと語りました。
記者が「なぜイスラエル人に苛立っているのか? なぜ同じような感情をロシア移民には抱いていないのか?」と聞くと、この男性は「ロシア人が好きとは言わない。しかし、君たちの政府は戦争犯罪を犯している」と答えたということです。