軍基地破壊、負傷兵1万人突破… イスラエル最新情勢
(last modified Wed, 04 Sep 2024 11:49:00 GMT )
9月 04, 2024 20:49 Asia/Tokyo
  • 軍基地破壊、負傷兵1万人突破… イスラエル最新情勢
    軍基地破壊、負傷兵1万人突破… イスラエル最新情勢

ここ最近のイスラエル情勢をみると、レバノン・ヒズボッラーによるイスラエル軍のアル・アッシ基地の破壊、ガザ戦争で負傷したシオニスト兵の数の増加、テルアビブでのデモ隊と警察の激しい衝突、停戦交渉におけるネタニヤフ首相の行動に対する批判の継続などが挙げられます。

【ParsToday西アジア】ヒズボッラーは、占領地北部にあるイスラエル軍の4つの諜報活動拠点を攻撃したことを明らかにしました。そのうちのひとつアル・アッシ基地は、占領下のパレスチナ北部境界地域にあるイスラエルの重要基地の一つで、境界線をはさんでレバノン側ミース・アルジャブルの向かいにあるアル・バグダディ及びバヤド・ベリダ両基地の中間に位置します。 ミース・アルジャブルに対するイスラエル軍の砲撃のほとんどは、同基地所属の兵士による監視を通じて行われています。

ヒズボッラーはこれ以外にも、イスラエルが占領しているレバノン領クファルシュバ丘陵地帯にあるアル・サマカ基地にいるイスラエル軍兵士に向けて直接銃撃したほか、占領地シャブア平原にあるアル・ラダル基地にも迫撃砲攻撃を行いました。

抵抗勢力の優勢が伝えられる中、イスラエルのメディアは3日火曜夜、昨年10月7日の戦争開始以来、イスラエル兵士1万400人が負傷したと発表しました。

ガザでの戦争は11カ月目に入りましたが、複数のシオニストメディアは、イスラエル軍が死傷者数を発表する際に厳しい検閲を行っていると指摘しました。この検閲は、ガザ地区との戦争でイスラエル兵側に多数の死傷者が発生したことと、イスラエル市民からのさらなる反発への懸念から講じられたものだということです。

ガザ戦争をめぐるネタニヤフ政権の迷走は、大きな非難を招いています。2・3日の夜、数万人のイスラエル市民が聖地ベイトルモガッダス・エルサレム、ベエル・シェバ、その他の占領地各都市でネタニヤフ首相に抗議し、ハマスとの合意を要求しました。このデモは、ネタニヤフ政権にハマスとの捕虜交換合意の即時締結を迫る目的で行われ、警察との激しい衝突を伴うものでした。

一方、ハマス軍事部門のカッサム旅団は、ガザ地区で最近遺体が発見されたイスラエル人捕虜6人のうちの1人の動画を公開しました。この動画には、ネタニヤフ首相が捕虜の命を無視していることに対し抗議している様子が映っています。

動画に映っていたのはオリ・ダニノ氏で、死亡する前にガザ地区で録画されたこの動画の中で、「ネタニヤフ首相が率いる戦時内閣と政権は昨年10月7日に敗北した。彼らは我々入植者を守るという使命を果たし切れず、今では失敗した手段で我々を次々に殺そうとしている」と述べています。

そして、ネタニヤフ首相とその閣僚、軍に対し、「我々が攻撃された時、あなた方はどこにいたのか? 我々がどこに逃げればいいか分からなかったとき、あなた方はどこにいたのか? 我々が孤立無援だったとき、あなた方はどこにいたのか?」と問いかけ、自らの家族とイスラエル市民に対し、捕虜解放のためにあらゆる手を尽くすよう求めました。

一方、ハマス幹部のウサマ・ハムダン氏も3日夜、これについて「ガザで占領者の作戦が継続すれば、イスラエル人捕虜は返還されず、彼らは殺害されることになるだろう」と警告しました。

ハムダン氏はその上で、「イスラエル人捕虜は、イスラエル軍の爆撃や銃撃、あるいは抵抗勢力との衝突で死亡した」とし、「捕虜が解放されるのは、ガザでの戦争が停止しイスラエル軍が完全に撤退した時であることは明らかだ」と述べました。

ハムダン氏のこの発言は、ネタニヤフ首相がフィラデルフィア回廊からの撤退を拒否した後に出たものです。

ハマスは昨年10月7日、奇襲作戦でガザ地区に隣接するシオニスト入植地を攻撃し、約250人のシオニスト市民を拘束し、捕虜としました。その一部は、人道的措置により釈放され、その後もイスラエルとの捕虜交換合意で釈放されました。しかし、ネタニヤフが注意を払わなかったことや、ガザ地区への残忍な攻撃を継続したことにより、彼らの多くが命を落としています。


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