パレスチナ擁護と多国間主義の強化:非同盟運動サミットにおけるイランのアプローチ
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イランのセイェド・アッバース・アラーグチー外相が、NAM非同盟運動外相会議に出席するため、開催国である東アフリカ・ウガンダの首都カンパラに到着しました。
(last modified 2025-10-15T10:50:49+00:00 )
10月 15, 2025 19:49 Asia/Tokyo
  • アラーグチー・イラン外相がウガンダ首都カンパラを訪問
    アラーグチー・イラン外相がウガンダ首都カンパラを訪問

イランのセイェド・アッバース・アラーグチー外相が、NAM非同盟運動外相会議に出席するため、開催国である東アフリカ・ウガンダの首都カンパラに到着しました。

イラン外務省のエスマーイール・バガーイー報道官は「X」において、アラーグチー外相がカンパラに向けて出発したことを明らかにするとともに「イラン外相は、NAM諸国外相による第19回中間閣僚・外相級会合に出席するため、ウガンダの首都カンパラに到着した」と述べています。

今回の会合は15日水曜および16日木曜の両日にわたり、ウガンダの首都カンパラで開催され、同国外相が議長を務めるとともに、NAM加盟国の外相と高官代表団が出席します。

アラーグチー外相はこの首脳会合の一般討論に参加し、国際情勢に関するイランの立場を説明するほか、この会合の傍らで参加国の外相らと会談し、意見交換を行う予定です。

カンパラ会合では、NAM加盟国の原則を重視した上での国際情勢や地域情勢の検討、加盟国間の多国間協力の強化、気候変動、人道的危機、国際構造の改革、ガザ情勢など地球規模の課題に関する各国の立場を説明することが、最も重要な議題の一つになると見られています。

NAM非同盟運動は120カ国以上で構成される国際組織で、冷戦時代に結成されました。イランはNAMにおける主要かつ影響力のあるメンバー国であるとともに、この組織の政策形成、特に一極主義的行動への対抗と発展途上国の独立擁護の分野において重要な役割を果たしています。

イランは2012年にテヘランで第16回NAM首脳会合を主催し、3年間にわたり輪番議長国を務めました。イランは常に、大国に依存しない姿勢、国家主権の尊重、一方的な制裁への対抗といったこの運動の基本原則を擁護してきました。

イランはさらに、この運動の力を利用して西側諸国の制裁に対抗し、この分野における加盟国の関心を惹きつけようと努めてきました。また議長国時代には国連憲章の改正、テロ対策、そして世界経済システムにおける正義の実現に向けた提案を提示しています。

加えてイランは、NAM非同盟運動を通じてアフリカ、アジア、中南米諸国との関係強化に成功し、NAMという枠組みによる文化サミットや会合の開催により、イランの見解を世界に発信するプラットフォームを提供してきました。

ウガンダで開催された第19回外相・閣僚級会合は、主権国家にとってパレスチナ市民への支援及び、世界規模での一極主義的行動への対抗を目指して結束する重要な機会となりました。ガザにおける人道危機を受け、多くのNAM加盟国がシオニスト政権イスラエルの行動に対する断固たる姿勢を表明しました。カンパラでの会合では、NAMパレスチナ委員会がパレスチナ市民との連帯を新たにするため会合を開催します。

世界がガザ紛争、大国の一方的・一極主義的行動、気候変動、経済格差といった複雑な危機に直面している今、カンパラで開催されるNAM外相会議は特に重要な意義を持っています。NAMカンパラ会合は大国の覇権主義に抗い、正義と政治的独立を守るために独立諸国が一致団結して声を上げる機会となります。

イランはこの会合への参加を通じて自国の立場を明確にし、国家および地域の利益に沿った二国間交流への道筋を切り開くと考えられます。この会合は一外交行事であるのみならず、新たな課題に直面しながらも、より公正で人道的かつ均衡のとれた世界の実現を目指す独立諸国の努力の象徴でもあります。また人道的かつ道徳的な観点から見て、今日の世界におけるNAMの役割を再定義する機会だと言えます。

イランが外交政策において一方的・一極主義への対抗という原則的なアプローチをとっていることから、そして独立諸国間の協力の重要性に留意すると、カンパラにおける第19回NAM中間閣僚・外相級会議の開催は、将来に向けて加盟国間で意見を共有し、より広範な協力を図るの上で適切な機会になると思われます。

 

 


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