アメリカのシリアにおける新たな口実探しについてイランが警告
アメリカのシリアに対する最近の脅迫を受け、イラン政府高官が、シリアにおけるアメリカの新たな口実探しについて警告しました。
アメリカ政府は、シリア政府が、再び化学兵器の使用を準備しているとして正式に非難しましたが、それに関する証拠や根拠は提示されていません。
レバノンのアルマヤーディンテレビは、アメリカの偵察機によるシリア上空での異例な飛行は、新たな行動に向けた準備を示していると伝えました。
アメリカ政府は以前、シリア政府は4月に同国北部のイドリブ州で化学兵器を使用したと主張していましたが、これまで、その主張を裏付けることができていません。
イランとロシアはこの出来事のあと、アメリカの主張について調査するための国際調査団の派遣を正式に要請しましたが、アメリカ政府はシリアに対する疑惑に根拠がないことが暴かれるのを防ぐため、それを妨害しました。
この主張を受け、アメリカ軍は4月7日、シリア・ホムスの空軍基地をミサイルで攻撃しました。
イラン国家安全保障最高評議会のシャムハーニー書記は、シリアでのアメリカの挑発的で浅はかな行動は、危険なゲームだとしました。
シャムハーニー書記は、「アメリカ政府は自分たちの主張に誠実であるのなら、化学兵器禁止機関の調査団に関連情報を提供すべきだ」と語りました。
イラン外務省のガーセミー報道官も、「根拠のない理由によるアメリカのシリア攻撃は、地域の情勢不安や混乱を拡大し、弱体化しっつあるテロリストを助けるだけだ」と述べました。
また、国際社会に対し、地域の治安や人道面での状況を悪化させることになるこの攻撃の結果について考えるよう求めました。
ガーセミー報道官は、「シリア政府は6年以上も前から、全力を尽くしてテロと戦っており、このような根拠のない主張は、テロ組織を強化し、テロとの戦いを複雑にするだけだ」と強調しました。
シリアのアサド大統領は、「アメリカは、シリア政府の化学兵器使用に関する主張を行うことで、シリアへの軍事介入を拡大するための口実を作ろうとしている」と強調しました。
ロシアのガティロフ外務次官は、「このような根拠のない主張は、カザフスタンのアスタナやスイス・ジュネーブでの努力にマイナスの影響を及ぼすだろう」と語りました。
こうした中、アメリカでも、上院外交委員会のカーディン民主党議員が、シリアでのあらゆる軍事行動について警告を発しました。