クルド人自治区のイラクからの分離に関する住民投票
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イラクのクルド人自治区の分離独立の是非を問う住民投票に関して、この2日間、多くの報道が行われましたが、イラク・クルド人自治区のバルザニ議長は、この投票の実施を強く主張しています。 バルザニ議長は、6月7日、イラク・クルド人自治区の独立に関する住民投票を、9月25日に実施することを明らかにしました。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
9月 25, 2017 18:07 Asia/Tokyo
  • クルド人自治区の住民投票
    クルド人自治区の住民投票

イラクのクルド人自治区の分離独立の是非を問う住民投票に関して、この2日間、多くの報道が行われましたが、イラク・クルド人自治区のバルザニ議長は、この投票の実施を強く主張しています。 バルザニ議長は、6月7日、イラク・クルド人自治区の独立に関する住民投票を、9月25日に実施することを明らかにしました。

バルザニ議長が住民投票の実施に固執する理由

この1週間、クルド人自治区、イラク国内、地域、世界の4つのレベルで、この住民投票に反対する声が高まっていました。イラクのアバディ首相や、イラクの近隣諸国の関係者も、この住民投票を火遊びと呼びました。中東問題の専門家であるセイエド・アフガヒー氏は、バルザニ議長は火遊びをしているとし、「バルザニ議長は、彼の政治的な能力を超えたゲームに夢中になっている」と語りました。ではなぜ、バルザニ議長は、新たな危機が生まれる前に、このゲームを終わらせようとしないのでしょうか?

バルザニ議長は、この危険なゲームによって、3つの重要な目的を果たそうとしています。

バルザニ議長

第一の目的、クルド人の英雄になること

第一の目的は、住民投票の実施によって、クルド人の英雄や指導者になることです。住民投票で独立に多くの賛成票が投じられたとしても、それが実現しない可能性もあります。バルザニ議長は、今後、別の人物がクルド人自治区のイラクからの独立に関する住民投票を実施し、独立が実現して、その人物がクルド人の英雄になることを阻止しようとしています。なぜなら、住民投票のタブーは、すでにバルザニ議長が破っているからです。言い換えれば、バルザニ議長は、住民投票の実施により、クルド人の歴史に永遠にその名を刻もうとしています。

第二の目的、クルド人を、要求を訴えるイラクの少数派にすること

第二の目的は、イラクのクルド人を要求を訴える人々にすることです。言い換えれば、バルザニ議長は、住民投票の実施によって、イラクからの分離独立を、クルド人にとって非常に強い要求であるように示そうとしています。こうした中、もしクルド人が独立を望んでいることが住民投票で証明されたとしても、それをひとつの権利と見なすことはできません。なぜなら、クルド人自治区はイラクの領土の一部であり、世界には他にも、さまざまな民族が暮らす国が存在します。あらゆる民族が住民投票によって国からの独立を求めれば、世界の多くの国の領土保全は危機に直面するでしょう。そして、政府から住民投票の結果が受け入れられなければ、流血の戦争が始まります。これは現在、一部の国の関係者やアナリストが、バルザニ議長が住民投票の実施に固執した結果として、警告している点です。

第三の目的、国内や地域の関係者を試すこと

第三の目的は、国内や地域の関係者を試すことです。バルザニ議長は、国内や地域からの数々の警告を真剣に捉えておらず、住民投票の実施によって、国内や地域の関係者が、その警告を実際に実行するのか否かを見ようとしています。もしそれらの警告が実際に行われれば、クルド人自治区は、流血の惨事に陥るか、トルコ、イラン、シリアなどの国による、非暴力的な反応を目にすることになります。流血の惨事になれば、まず犠牲になるのはバルザニ議長自身であり、非暴力的な反応の結果、クルド人自治区は、社会的、経済的に大きなダメージを蒙ることになるでしょう。もしこれらの警告が実行には移されず、クルド人自治区がイラクからの独立においてそれほどの問題に直面しなくても、バルザニ議長は、“クルド人の英雄になること”、という最大の目的を実現することができます。とはいえ、このような状況になることは考えにくいでしょう。各国の関係者の意志を試すことは、政治音世界においては、理性的で賢明な行動とは言えません。なぜなら、流血の惨事、あるいは経済的、社会的な問題という結果につながることになるからです。