11月 23, 2017 21:07 Asia/Tokyo
  • ローハーニー大統領(左)、プーチン大統領(中)、エルドアン大統領(右)
    ローハーニー大統領(左)、プーチン大統領(中)、エルドアン大統領(右)

テロ組織ISISのシリアにおける支配が終わった後、イラン、ロシア、トルコの大統領が、ロシアのソチで重要な3者首脳会談を開催しました。

この会談では、シリア危機の外交的な枠組みが明らかにされました。こうした中、サウジアラビアも、外国にいるシリアの反体制派勢力をリヤドに集結させ、連帯を確認すると共に、シリアの政治的な危機の解決に向けて動こうとしました。しかし、その動きは、イラン、ロシア、トルコの首脳によるソチの会談の最終声明に矛盾するものとなっています。
プーチン大統領、アサド大統領

イラン、ロシア、トルコの大統領は、22日水曜夜、ソチの会談の最終声明で、シリアの主権、独立、領土の保全と統一を改めて確認し、テロ組織が最終的に敗北するまで、協力を続けていくことで合意しました。ローハーニー大統領、プーチン大統領、エルドアン大統領はまた、シリアに統一を取り戻し、シリア危機の政治的な解決法を見出すために、この国の国民を支援することで合意しました。この政治的な解決法として、国連の監視のもとで、シリアのすべての有権者が参加する自由で公平な選挙の実施により、シリア国民が支持する憲法の作成につながるような、透明、公正、自由、包括的なシリア人同士のプロセスによる方法が挙げられています。

ローハーニー大統領(左)、プーチン大統領(中)、エルドアン大統領(右)

ソチの声明は、ISISの支配が終わったあとの、シリア危機の政治的な解決に向けた歩みを描いており、シリアの人々の意志や要求を考慮した上で、イラン、ロシア、トルコが外交的なルートを歩んでいることを示しています。ローハーニー大統領、プーチン大統領、エルドアン大統領の合意では、シリアの政治の将来に関するシリア国民の要求を尊重することが注目されており、その中で、今月28日、ソチで、シリア人同士の国民会議が開催される予定です。この会議には、シリア政府の支持派と反対派が出席し、外国の干渉を受けずに、シリアの政治的な将来を完全に民主的な形で決定するための話し合いとなります。

ローハーニー大統領、プーチン大統領

ローハーニー大統領は、「シリア人同士の国民会議の目的は、シリアの新憲法作成に向けた土台を整え、それによって、自由で公正な選挙を実施することであり、それは、地域全体への平和と安定のメッセージになりうる」と語りました。

シリアの国民会議は、イラン、ロシア、トルコのイニシアチブによるシリア危機解決のための、民主主義の原則と外交的な枠組みに沿った論理的なアプローチであり、サウジアラビアが主導した、外国のシリア反体制派の22日の会議の声明とは、ちょうど対極にあります。この声明では、シリア国民の要求や民主主義の原則はまったく注目されていません。また、アサド大統領を抜きにした政治プロセスの形成が強調されています。これに関して、ロシアトゥデイのインターネットサイトは、22日、「イラン、ロシア、トルコ、シリアは、シリア危機の解決において外交的な方法に頼ろうとしているが、アメリカとその同盟国は戦争を好む傾向にある。アメリカとその同盟国は、アサド大統領を退陣させようとしてきた」と報じました。

シリア軍

イラン、ロシア、トルコの戦略的な協力とアプローチにより、外交的な手段とシリア国民の要求の尊重が、この危機の解決法となっており、それは、シリア人同士の国民会議という形で明らかになっています。シリア国内の反体制派の指導者は、「ソチの会議を支持し、それに参加する。なぜならそれは、シリア危機の解決の起点になると考えているからだ」と語りました。

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