視点、 世紀の取引―パレスチナへの裏切り
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世紀の取引―パレスチナへの裏切り
イラン外務省のムーサヴィー報道官が、アメリカの発表したパレスチナとシオニスト政権イスラエルの一方的な和平案「世紀の取引」を、パレスチナ国民の理想と人権に対する「世紀の裏切り」と表しました。
ムーサヴィー報道官は28日火曜夜、パレスチナの人々の父祖の地への基本的な権利を無視した「世紀の取引」の発表を受けて、「このパレスチナに対する米国の恥ずべき案の押し付けは、失敗する運命にある」と述べました。
「世紀の取引」と名付けた米国による完全にイスラエル寄りに偏向した一方的な和平案は、米ワシントンでトランプ米大統領とシオニスト政権イスラエルのネタニヤフ首相が並び、米国に追従する一部アラブ諸国の駐米大使が同席する中、発表されました。
聖地ベイトルモガッダス・エルサレムをシオニスト政権イスラエルの首都とし、領有権を持つパレスチナに一切の権利を認めないとする、米国による和平案の目的は、あくまでもイスラエルという治安の破壊者を守ることに限定されています。
「世紀の取引」発表の過程では、一部のアラブ諸国が米国と共謀するという、パレスチナ国民の望みに対する裏切りも表面化しました。好むと好まざるとに拘わらず、イスラム世界の課題の筆頭にあるパレスチナと聖地ベイトルモガッダス・エルサレムを忘れ、パレスチナで対抗する人々から武器を奪うために共謀したアラブ人たちは、米国とシオニスト政権に協力しています。
これについて、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスのハーレド・アルゴドゥミー(Khaled Ghodumi)代表はテヘランで、「世紀の取引」案の基本的な目的はパレスチナの抵抗勢力の武器に対抗するものだとして、「イスラエルはこれらの武器に対抗できず、パレスチナの抵抗勢力はシオニストたちを敗北に追い込むことに成功した」と語りました。
パレスチナのシオニストからの聖地回復のための抵抗運動は、インティファーダとして70年以上の歴史を持ち、「石つぶての闘い」と呼ばれる1987年に発生したインティファーダから「武装抵抗運動」まで様々な形をとって、シオニスト政権イスラエルや米国の夢想を失敗に終わらせてきました。今日パレスチナの識字率は90パーセントで、人々は「世紀の取引」のあらゆる側面を正しく理解しています。彼らは自身の誇り、人間性、権利、父祖の土地を守るため、沈黙せず一致団結して、この米国による案を「世紀の敗北」へと変えていくことでしょう。
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